読図講習会@大元公園&弥山博打尾
2006年4月9日


桜満開の日曜日


地図とコンパスのイラストデータ
行程

9:00宮島桟橋…9:20大元公園入口…9:35座学@大元公園あずまや11:40ランチ12:40…(読図実践@茶屋下)…(読図実践@包ガ浦自然歩道入口)…14:05読図実践@博打尾…(読図実践@博打尾上部)15:20解散…16:00博打尾先端近く…16:45多宝塔…17:15桟橋

コースタイム
(歩行時間)
(17,500歩)
同行者 佐伯山の会のみなさん、横山雄三さん、T夫妻
その他 JR向洋駅〜宮島往復  1300円
講習会参加費(資料代)  500円 


登山靴のイラスト この頃私が宮島にハマっていることを知っている母が、「今度宮島で読図山行があるんじゃけど、公開なんよ。興味あるなら申し込んでおこうか」と聞いてきてくれた。私のコンパスの使い方と地図の読み方は本を読んだだけの独学で、どうもあやふやなところがある。いい機会だと思い参加することにした。その話をH子さんにすると、彼女とご主人のTさん(隊長)も参加することになり、当日は3人ワクワクしながら、一般参加者として「佐伯山の会」のみなさんに紛れることとなった。

折しも宮島の桜は満開。あちこちで歩を緩めて桜を愛でながら、座学の場所である大元公園に向かう。

大元神社の裏手の大木。                                                

座学はこのあずまやで。花冷えの日で、途中寒くてたまらなかった。

講師の横山雄三さん(呉労山)の話はためになった。常に地図の北を上に向けて見る「北上式(ほくじょうしき)」と、コンパスの使い方について、説明を受ける。ちなみに「北上式」とは、「正置」や「整置」(地図を回して実際の地形と相似形にする作業)を伴わない地図の見方のこと。

実は私は車でのナビゲーションが得意で、地図を回さなくても右折、左折を間違いなく言える方なので、これまでも地図を回したいと思ったことはなく、「北上式」自体は自然に実践していた。しかしコンパスの使い方については、今回の講習で開眼するところがあった。

これまで私は『2万5000分の1 地図の読み方』(平塚晶人 小学館)に書いてあるやり方でコンパスを使っていた。そのやり方は「地図上にコンパスを置いて目標物の角度をコンパスに記憶させ、その後コンパスを体の前に維持しつつ体を回し、磁針と矢印が一致した時点で目線を上げて目標物が目の前にあれば正解」というまわりくどいもので、地図こそ回さないものの自分がぐるぐる回らなくてはならないのをなんとかならないものかと思っていた。

ところが、横山さんの「早撃ち式」は、「目標物を見てコンパスにその角度を記憶させ、それを地図に落とし込む」というもので、考え方自体は上記のやり方と同じなのだが、始まりが地図ではなく実際の地形からなので、一段階省略できる上、曖昧さが排除され、とても納得がいく。

(ここで詳しく説明すると営業妨害になりそうなので、興味のある方は横山さんの著書『登山者のための地図とコンパスの使い方 −あなたの使い方は間違っている』(横山雄三 SEIZANDO)を読んでください。ちなみに、ア○ゾンのサイトにはこの本について酷評が載っていますが、この書評は、おそらく「地図を回す」という作業から離れられない登山者が偏見を持って書いたのであろうことが、実際に横山さんの講習を受けてみてわかりましたので、そのことを申し添えておきます。)

「本読めなんて言わずにちょっとぐらい教えてよ」
と思った方はこちらの記録をどうぞ。
T隊長監修によるH子さんの解説があります。

2時間弱の座学を終え、大元公園の桜を眺めながらランチ。その後、いよいよ読図を実践しながら遊歩道を通って博打尾へと向かう。

                                             
第一実践地(平松茶屋下。もちろん2.5万図には載っていません。)

横山さん「じゃあここで現在地を特定してみてください。多宝塔と鳥居があるから簡単でしょ?」
「わかった人は多宝塔の向こうに見えるあのピークは何か特定して!」 

藤の棚公園を抜けて次の実践地へ。どこも桜が満開〜。

←藤の棚公園にあったとてもかわいらしい色の桜。
ぽぅっと、ピンクとも紫とも言えない色に染まった花芯がきれい→

第二実践地(包ガ浦遊歩道入口)

横山さん「この場所は地図だとどこになるか探してみてください。」
みなさん「さっき橋を渡ったよのー。隣にも谷があるで。」
横山さん「そうそう、谷が2つ並んどるでしょう。どっちの谷かわかりますか?」

第三実践地(博打尾)

横山さん「この場所を地図に落とし込んでください。ヒントになるものがたくさん見えます。」
みなさん「弥山と駒ガ林が見えるけぇ特定できるね。」
横山さん「わかった人は東側のあの頭だけ見えているピークが何か特定してみてください。」

↑これにはかなり感動。ポコンと頭だけ見えているピークでも現在地がわかればわかるのですね(^^)v


第四実践地(博打尾上部)

横山さん「それじゃあ、あの(矢印)ピークはなんでしょうか。」
みなさん「えーっと。それにはまず現在地を特定せんにゃぁいけんのんよねぇ。」
(正解は302mピーク。)


うぐいす歩道は桜のトンネル
と、こんな調子で各ポイントで20〜30分ほど費やし、15時をまわった時点で残念ながら解散となった。博打尾まで下りて紅葉谷へと向かう山の会のみなさんと分かれ、T夫妻と私は更に尾根を直進。旧陸軍道路を渡って尾根の先端まで行こうとしたが、16時を過ぎたので引き返し、うぐいす歩道経由で多宝塔に向かう(写真を撮るため)。

そして締めくくりは多宝塔の上からの眺め(トップの写真も)。ピークはひとつも踏まないのに、とても充実した大満足の1日だった。


☆追記☆ ('06年4月21日)

このページの内容について、後日横山雄三さんより詳しいコメントをいただきました。
ご本人の了承を得ましたので、以下該当箇所をそのままアップいたします。

(前略)
ピョさん,あなたは私の方法を理解していただけた数少ない方の一人です。
感謝しております。
ホームページを見て気付いたこと。
p2:平塚氏は「コンパスは現在地が分かって始めて役に立つ代物です」と云っていました。
これは根本思想の違いです。拙著p132に解説してあります。
 
p3:アマゾンの酷評に対する直後の私の反応は
「この方向オンチが。理解出来ないからと言って怒る前に反省しろ」でした。
 
p4:第三実践地:「現在地がわかればわかるのですね」
現在地が正確にわかっていたわけではない。概略だった。私のポイントもズレていた。
それでも,お互い,杉ノ浦と包ヶ浦の間の岬の山頂と確認したのですね。
「デジメ6」を体験したことになります。「現在地が概略でも目標確認は出来る。」
p151,§5・4・5及びp114,L13〜を参考にしてください。
 
第4実践地:「まず現在地を特定せんにゃぁいけんよねぇ」
これも同じですが,それまでのテーマで,その尾根に居ることまではわかっていたので,
尾根のほぼ延長上にあるピークを測定で確かめるだけだった。
その後に,ここまで云って欲しかった。
「そのピークから北へ延びる尾根の形状・枝尾根・谷の数などで,隣の枝尾根が特定出来ました。
それは,直ぐ近く(約100M)で,自分の尾根線に直角に近いので,正確に現在地を確定出来たのです。」
 
これまで私がしてきた労山の地図教室でここまで深く検討したことはありませんでした。多くのポイントを指摘しましたが,
これらは,説明不足,要点の不徹底など気付かされることが多く,私にとって貴重な反省材料になりました。
有難うございました。ぽこさんのホームページも同様です。

(以下続きますが、H子さんのページについてのコメントになりますので、省略します。)


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