烏帽子岳〜双六岳(裏銀座〜新穂高温泉):
 悪天に笠ガ岳を断念
2002年9月13日〜15日

烏帽子岳から真砂岳まで、長く連なる稜線  3日間で歩いた山々
    烏帽子岳    2628m
    三ツ岳      2845m
    野口五郎岳   2924m
    真砂岳(巻き)  2862m
    ワリモ岳     2888m
    鷲羽岳      2924m
    三俣蓮華岳   2841m
    双六岳      2860m
東沢乗越付近から振り返る裏銀座の稜線
いちばん左に小さく見えるのが烏帽子岳


山のイラスト 夏山の締めくくりにもう一度アルプスへ、と、ブナ立尾根から裏銀座をたどり新穂高温泉に下山するコースを、お盆を過ぎてから計画した。口の悪い友人たちには「とりつかれたように登っている」と言われ、ひと足先にドバイ在住の夫には「また行くんか」とあきれられ・・・。でもいいんだもん。だって、ドバイに行ってしまったら当分日本の山には登れないんだから。

離日前の最後の仕事を終えたので、出発日はお天気を見てフレキシブルに決めることができる。「この先1週間、天気の大きな崩れはないでしょう」という9月11日の予報を聞いて、12日に広島を出ることに決めた。この予報が例によって大嘘だったことはその後の数日間で証明されることになる。

出発を決めてから高瀬ダムに近い七倉山荘を予約しようと電話すると、「あー、12日はお休みなんですよ〜。13日からならやってるんですけどねー」と、いきなりパンチをくらってしまった。閑散期のため週日は休んで、連休に入る直前から営業するということらしい。そこで大町駅前の「七倉荘」に電話をすると、愛想のよいご主人が「山登りですか!」と万事心得た調子で予約を受けてくださった。しかし、「ブナ立を登ります」と言ったとたん、「あー、今ダムにタクシー入ってないですよ。工事でね。入るのは20日からです」と第2のパンチ。

ちょ、ちょっと待ってご主人。うそでしょ〜。なんで、なんでぇぇぇ・・・。だって、タクシー入らなかったら、七倉から2時間よけいに歩かないといけないじゃないの〜! と、混乱した頭を必死にたてなおし、とりあえず予約はそのままにしておいて電話を切り、母に電話をして相談することにした。

(私)「ねーねー、タクシー入ってないんだって。」
(母)「ええっ(絶句)」
(私)「どうする?折立から入る?」
(母)「う〜ん・・・」
(私)「野口五郎も黒部五郎も同じ五郎じゃん。」(←かなり暴論。しかしある意味真実。)
(母)「でも、アンタ、今から計画できる?」
(私)「なんとかなるじゃろ、地図あるもん。」
などと話していると、別室の電話が鳴っている。短い廊下を飛ぶようにしてそちらへ行き受話器をとると、七倉荘のご主人の声が飛び込んできた。

「あー、あのね〜、今タクシー会社に確認したら、朝9時まで3時間は入るそうですわー。なんならタクシー予約しときましょうか。」

というわけで一気に脱力したものの、最初の予定通りブナ立尾根を登れることになった。(やれやれ。)

電車のイラスト 移動日切符のイラスト 

朝の通勤時間に広島を出るときには恥ずかしかったザック姿も、名古屋で「味噌カツ弁当」を買って「特急ワイドビューしなの」に乗り込む頃には同じような格好の人に紛れてなんともなくなってきた。2時間で松本に到着。大糸線に乗り換える。

梓川を渡り穂高駅を過ぎるあたりまでは前山アルプスがかなり見えていたのに、大町に近づくに連れて山の上が雲に隠れてきた。あーあ、今回は鹿島槍、見られないかな・・・。

七倉荘は信濃大町駅から徒歩3分。ご主人は電話での印象の通り、とても話好きな方。ご自慢の屋上庭園を見せてもらってから、駅前の散策に出た。賑やかではないけど、かなり長い駅前商店街。ここに下山したのなら全部歩いてみるのだけど。とくに大町物産館「いーずら」には買って帰りたいものがたくさんあった。(ええ、買い物ずきです、ワタシ。)

行動食におやきを調達して七倉荘に帰り、入浴と食事。建物の中はどこも清潔で気持ちがいい。夕食時に隣のテーブルに座った男性3人のパーティと話しているうちに中の1人が柳井市出身だということがわかり、「寂地山」だの「(広島の)大峰山」だの、ローカルな山の名前が飛び交う信濃大町の夜だった。


Nextボタン
(「烏帽子岳〜双六岳第1日」へ)

リンクバー

inserted by FC2 system