福田頭 1252m  2008年6月7日


福田集落に向かう途中からの福田頭

地図とコンパスのイラストデータ
行程

10:00林道下山口…10:45福田集落…11:20登山口11:30…11:43一の滝分岐…11:45一の滝11:50…11:52分岐…12:05二の滝…12:15三の滝…12:50水呑場…13:00おおはの峠13:40…14:10福田頭山頂14:55…15:10兎舞台の頭…15:40昇龍の滝15:45…16:00下山口

コースタイム(歩行時間) 4時間15分
同行者
その他 入浴@かんぽの郷庄原 600円/1人


登山靴のイラスト 5月中旬から3週続けて西中国山地に入り、初夏の西のブナ林の様子はだいたいわかった。それでは東のブナ林はどうかしら、と、比婆山にでも行こうかと考えていたとき、「低山名山」を見てくださっている方から福田頭に行ったというメールをいただいた。それでなんとなく福田頭が計画部にインプットされてしまい、金曜日の夜には比婆山から福田頭へと行き先が変更になっていた(笑)。

土曜日の朝、吾妻路でトイレ休憩の後、売店の前に行くと、スラッとしたきれいな人と目があった。「あれ?私、この人知ってる・・・、かな?」と思ったが、とっさに思い出せない。売店をブラウズしているうちに、「あっ! 山野草Mさんの奥様だ!」と気がついた。しかし気がついたときにはすでに山野草さん夫妻は車に乗って吾妻路を出るところだった。

続いて車を置くため林道の下山口に着くと、自転車に乗り、楽しそうな笑顔を浮かべた山野草さんが、ちょうど登山口へと下りて行かれるところだった。しかしこれもまた一瞬のすれ違いで、結局言葉を交わすことはできなかった。残念!

前回と同じく林道下山口に車を置いて、登山口まで林道を下りていく。福田集落の北端まで約40分。道沿いにはタニウツギやコアジサイなど花がたくさん咲き、乾いた風が吹いて気持ちがいい。それでも単調な林道歩きの最後の方は飽きてきた。

集落を抜けて井西谷の奥に入り、最後の民家の前の橋を渡る。登山口はまだ谷のずっと奥の方。

ようやく登山口。林道下山口からは1時間20分もかかった。

登山届けの記録を見ると、山野草さんの入山時間は10時40分。私たちよりも40分ほど先に行かれていた。(個人情報は白く消させていただきました。)

登山口を入ってすぐの橋を渡ってしばらくすると、杉林のトラバース道となる。

間もなく左下にきれいな沢筋が見えてくる。

沢の右岸に渡るとすぐに一の滝への分岐。登山道から2分ほど離れているのでここから往復。

一の滝。

分岐に戻って高度を上げると、一の滝の水音を右下に聞いて、滝の上流に至る。写真は一の滝に落ち込む前の流れを見下ろしたところ。

やがて二の滝が見えてくる。

続いて三の滝。ここで左岸に渡る。

清涼感のある滝の流れの側には、こんなにきれいに苔むした岩が・・・。

三の滝から上流も小さな滝が連続する。

流れのすぐ側を行く登山道。滝好きな人にはたまらない道です。

滝の部が終わると、湿地帯。視線の先や足元には花がたくさん咲き、つい歩みが遅くなる。

ランが何種類か咲いていた。詳細は「山歩きと山野草のページ」さんに譲ります(笑)。

湿地帯の中で流れを右に左に渡っていた登山道は、やがて左側の斜面を登りはじめる。高度が上がるとブナの木が目立ってくる。さっきまで歩いていた谷がずいぶん下に見えてくると二股があり、左側の別の谷に入る。

水呑場の湧き水。

なんの花でしょうか。山野草さんに教えてもらいましょう(←調べる努力を放棄 f(-v -;;)



追記: 山野草さんが早速教えてくださいました。カモメヅルの仲間で「ツクシガシワ」ではないかとのことです。広島では珍しい花のようですね。

空が見えてきた。水呑場から10分で、井西山との鞍部である大波峠(おおはのとうげ)に至る。

峠から正面に見える竜王山。すでに1時になっていたのでここでランチ。

デザートは吾妻路で買ったサクランボ。品種改良などされていない、少し酸っぱいけれど懐かしい味がした。

峠からは尾根道となる。急な登りもあるが・・・、

やがて傾斜が緩みブナを楽しみながら歩ける道となる。

大好きなタニウツギの花。山頂手前まで来ると、日当たりがいいせいか花が増えてきた。

そして山頂。午前中よりも曇ってしまい、期待したほど遠くまでは見えない。写真は道後山方面。

特徴ある形ですぐにわかる猿政山(右)と、大万木山(矢印)。

そしてこちらは見事な三角錐の吾妻山。左手には池の原も見える。

バリスタ夫(笑)。コーヒータイムは欠かせません。

山頂付近にたくさん咲いていたイワカガミ。

下山路は、兎舞台の頭までは緩い下り。

兎舞台の頭。ここから左側の尾根に乗る。

かなり急な下りが続く。

右手に見え隠れする比婆山(烏帽子山〜御陵の稜線)。

こちらは池の段(ドルフィンバレースキー場)と、その右側に立烏帽子山。

背の高い立派なブナの間を抜ける。ここから先、登山道は尾根をはずれて左手に曲がり、トラバース道となる。

きっと誰もが立ち止まる大きなブナの木。

高度を下げ、沢筋に下りてくると、サワグルミの木が迎えてくれる。下山口はここから右手。その前に左手に進むと・・・、

すぐに昇龍の滝が見えてくる。

近づいてみるとこんな感じ。落差を一気に落ちるものが多い前半の滝に対し、この滝はかなり高いところからカスケードを成しつつ流れている。最後にこの美しい滝を見て、満足感と共に沢筋を5分下ると下山口。山野草さんの車はもちろん もうなくなっていた。

久しぶりにこの山を歩いてみて、つくづくいい山だと思った。プロローグの里の風景、連続する滝、植生豊かな湿地帯、風が吹きぬける峠、ブナ林の尾根、展望の山頂、そしてふたたびブナ林歩きを経てエピローグの滝と、登山道に変化があり、しかもその変化がはっきりしているので飽きることがない。そしてさらにいいのは、登山道のほとんどが人1人が歩けるだけの幅しかなく、無意味な手すりや階段が一切ないことだ。行政が勝手に「整備」して「どうだ!」と悦に入っているところと違い、自然のさまざまな表情を、自然な形で味わいながら歩ける貴重な山と言えるだろう。こういう形で山を維持してくださっている地元のみなさんに感謝しつつ、パンが売り切れないうちに米麦工房へと急いだ(←けっきょくコレ・笑)。


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