比婆山〜吾妻山
比婆山古道〜御陵〜大膳原〜吾妻山〜池の原
2011年6月25日


吾妻山から見る比婆山山系
比婆山古道は、写真の中段右側から御陵へと登るルート
(黒いのは雲の影です。)

地図とコンパスのイラストデータ
行程

10:00駐車場所…10:01比婆山古道登山口…11:15太鼓岩分岐11:20…11:25御陵11:30…11:50鞍部(大膳原分岐)…11:54烏帽子山分岐…12:07横田別れ…12:15大膳原キャンプ場13:25…13:43南の原分岐…14:00稜線分岐…14:05吾妻山山頂14:05…14:26ベンチ…14:45休暇村駐車場

コースタイム(歩行時間) 3時間25分
同行者 ぽち隊長、夫
その他 入浴@比和温泉あけぼの荘 300円/1人


登山靴のイラスト ブナ林の緑が深みを増してきたので、ぽち隊長を誘って臥龍山の縦走を計画したところ、掛頭山への縦走路がこの冬の大雪で倒木だらけとなっていて難儀する、という情報を得た。ちょうどその朝、中国新聞に「比婆山古道復活」の記事が載っていたので、即、方針転換。60年ぶりに復活したという比婆山古道から御陵に登り、吾妻山へと縦走することにした。

旧ドルフィンバレースキー場を過ぎ、休暇村吾妻山への道路を車で上がりながら比婆山古道の入り口を探すが、中国新聞に載っていた略図の場所には見つからない。さらに上がっていくと、略図の場所よりもかなり上に、新しい標識が立っていた。休暇村の駐車場で待ち合わせていたぽち隊長も、「新聞の地図違うよねー」と、開口一番。

ともあれ、1台を休暇村駐車場に置き、もう1台で登山口近くまで下りていく。登山口にはこの写真のスペースと、少し下にもう1箇所、3台ほど停められそうなスペースがある。

(本来は離合のための待避所と思いますが、上手に停めれば問題はなさそうです。)

こちらが登山道入り口。

谷筋を登っていく。足元は、まだ踏み固まっていない杉の葉でふかふか。

二、三度つづら折れで高度を上げ、尾根に乗る。

尾根はこんな感じ。左側は急な斜面が谷へと落ち込むの対し、右側は、谷というほどでもないゆるやかな起伏が連なる。

実は、比婆山古道の取り付きが中国新聞の略図と違うのはわかったものの、いちいち尾根や谷を数えながら運転していたわけではないので、登山口がピンポイントで地形図上のどこになるのかの候補が、登る前には2つあった。

そのため、どの谷を遡ってどの尾根に乗ったのかがいまひとつはっきりしていなかったが、この地形を見て、さらに尾根の方向をコンパスで確認。あらためて地形図を見直して、どの尾根に乗っているかが判断できた。下山後、ぽち隊長号のナビGPSで登山口を確認。自分たちの判断が正しかったことを知る。

まったく情報のないこんなルートを歩けるチャンスはめったにない。比婆山古道も、実際の地形と、地図とコンパスだけで、「いま自分がどこを歩いているか」を判断しながら歩くおもしろさを味わえる絶好のチャンスだ。地図読みというのは、常時自分のいる位置を把握しながら歩くわけではない。ときどき「絶対にここだ」というポイントが出てくるので、それをつないで行っていく。


尾根を登っていくと、左側が自然林になった。足元は少し窪んでいて、この道が昨日今日できたものでないことがわかる。

そのうち周囲はすべてブナ林となった。尾根らしい地形は消え、あちこちで伏流水の音が聞こえる斜面の登りとなる。蒸し暑さも加わり、なんだかきついなー、と思って振り返ると・・・↓、

直登!(笑)
この潔さが好き。

下界では猛暑日となっていた日。さすがに山でも湿度が高く暑い。ムシも多い(笑)。

登山道が谷を渡り、トラバースに入ると、右上に大きな岩(矢印)が見える。

こちらがその大岩。

「イザナギノミコトが飛び越した『飛越(とびこ)岩』って
(新聞に)書いてあったのは、この岩じゃないかな?」
「っていうか、なんでわざわざ飛び越すかなー」
「回り込めばいいじゃん」

と、勝手に神話を書き換えそうな勢いの3人でした(笑)。

トラバース道は傾斜もなく歩きやすい。

谷の左岸の道となり、わずかに登ると、こんな立派な構造物があった。古いトイレです。

やがて登山道の前方に、朽ちかけた指道標(写真の左側)と、小さな祠が見えてきた。見覚えのあるこの場所は、以前にぽちぽこ夫妻と3人で来た太鼓岩だった。崩れかけたトイレと古びた指道標の存在が、比婆山古道が確かに昔からの道であったことを物語り、なんだか感慨を覚えます。

ここからは、左右どちらの道をとっても御陵に行ける。
右(写真では手前方向)へ行くなら主稜線縦走路に当たって左折。
左(写真では奥の太鼓岩の方)へ行くなら、主稜線縦走路に当たって右折。

私たちは左へ進み、産子の岩戸を見て・・・、

左手の林の中にイチイの木があるのに気づく。御陵のこちら側にも門栂があるとは知らなかった。

そして主稜線縦走路に出て右折(@)、御陵へ。
あとでここまで戻ってAの方向へ進みます。

1年ぶりの御陵。

御陵から折り返し、ブナ林の縦走路を烏帽子山方面へたどる。

烏帽子山との鞍部で左折。大膳原への近道へ。
ここを直進すれば烏帽子山。でも今日は誰も行く気なし。日陰がなくて暑いから(笑)。

しばらくトラバースした後・・・、

烏帽子山への分岐を通過。ここからは、石がごろごろして少し歩きにくい下り。

横田別れの鞍部。ここを直進。

ウノハナを眺めてわずかに登ると・・・、

大膳原に飛び出し、自然と深呼吸になる。

木陰がとてもいい感じの大膳原キャンプ場に立ち寄り・・・、

テーブルとベンチに陣取ってランチタイム。

ランチの後で大膳原に戻る(写真はサワフタギと福田頭)。
今日は雨を覚悟していたのに、青空が広がってきた。

むんむんするような濃い緑の中、吾妻山に登り返す。

樹林帯に入って、南の原との分岐を右折。

つづら折れを繰り返して、稜線に乗る。

素晴らしい青空。夏山です!

吾妻山山頂から見下ろす池の原と休暇村の建物。

さっき通ってきた御陵のピーク(右)と、
ランチをとった大膳原キャンプ場(矢印)。

こちらは大峠の谷筋や船通山(右奥)。

上の写真の左奥の山々を良く見ると、稜線を雲が覆い、まるで雪のように見える。「あそこに梅雨前線がある!」とぽち隊長。こんなふうに前線を目視したのは初めてでした。

山頂部にはもうシモツケが咲いていた。

猿政山や、遠く大万木山を眺めながら、下山開始。

登山道上にあるベンチを過ぎると、池の原や、森脇の谷筋を見下ろす下りとなる。

振り返るとこんな夏らしい雲が・・・。

池の原まで下りてくると、さすがは吾妻山。いろいろな花が咲いている。

この白いの、なんだと思いますか?

バイケイソウでしたー!
濃い緑色のミヤマバイケイソウも大好きですが、こちらもいいですね。

夏の入道雲と、秋のようなウロコ雲が同居する不思議な空。

池の原もこんなに爽やかな眺め。

今日はまったく未知の比婆山古道から、既知も既知、春夏秋冬訪れてお馴染みの吾妻山への縦走で、前半の緊張から後半の弛緩へと、いい時間の流れ方だった。しかも期待していなかった青空にまで恵まれ、充実した1日となった。

風呂桶のイラスト今日のおフロは、比和温泉あけぼの荘。何年も前に来たときよりも、もっとひなび具合が上昇。でもその昭和なひなび方と受付のおじいさんがとても懐かしい。正真正銘の温泉で、つかって気持ちが良く、飲んでもおいしい。ただ外気温が暑いせいで、脱衣場は暑くてたまらず、汗を流したはずが、新たな汗をかいてしまった;;

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