比叡山 第1日
(近江坂本〜日吉大社〜本坂〜東塔〜無動寺谷〜東塔〜西塔〜東塔)
2011年12月9日


京都市修学院付近
高野川にかかる橋から見上げる比叡山

地図とコンパスのイラストデータ
行程

10:00京阪坂本駅…10:05日吉大社(正味歩行時間20分)10:45…11:20花摘堂跡分岐…11:25花摘堂跡…12:05法然堂…12:10一隅を照らす会館13:15…13:20坂本ケーブル駅…13:35明王堂…13:40大乗院…14:02坂本ケーブル駅…14:18大講堂…14:32山王院…14:40浄土院14:45…14:55釈迦堂…15:10峯道三十二丁(引き返す)…15:22釈迦堂…15:35瑠璃堂15:45…15:53釈迦堂…15:59椿堂…16:05浄土院…16:20延暦寺会館

コースタイム(歩行時間) 4時間40分
同行者
その他 JR京都駅〜比叡山坂本駅 (強風のため山科で京阪に振り替え乗車。京阪坂本で下車) 320円/1人
宿泊@延暦寺会館


登山靴のイラスト 比叡山を登る対象として意識したのは、数年前の秋、仕事で出かけた京都国際会議場から見上げたときだった。プライオリティとしては高くなかったが、12月恒例のアニバーサリー山行の行き先を考えていたとき、ふと比叡山を思いつき、夫も私も(なぜか)一気に盛り上がった。登山道はいろいろあるが、近江坂本から最澄がたどった本坂を登り、山上で一泊、最高峰大比叡(おおびえ)を経て、親鸞がたどった雲母坂(きららざか)を京都に下山することにする。

京阪電車坂本駅を下りると、そのまま日吉大社への参道に入る。

石積みが美しい坂本の門前町。

駅からゆっくり5分、日吉大社に到着。比叡山に登る前に、大社をひととおり巡ることにする。(鳥居の左側奥が本坂登山口。)

鳥居の上に三角形が載った山王鳥居 変わった形の鳥居。山王鳥居と言って、神仏習合の象徴だそうです。
日吉大社の境内はとても広く、西本宮と東本宮に参拝するだけでも、軽く30分ばかりかかる。

2枚上の写真の鳥居の左手にある石柱。

この石段から比叡山への登りが始まる。

いったん車道に出て、続いてこの石段(垢坂)を登る。
写真は振り返ったところ。青く見えているのは・・・、

琵琶湖です♪

垢坂を登りきると、左手の柵を越えて道路に出る。道路と言っても大荒れに荒れて歩きにくい道。じぐざぐに登り、右側に鉄塔を過ぎると、山道らしいトラバース道になる。

花摘堂跡への分岐。名前が素敵なので、登ってみることにした。

急な斜面を登っていくと尾根に乗り、花摘堂跡があった。説明板には、最澄の母親が息子に会うために登ってきたものの、ここより上へは行けず、最澄の方が下りてきて母に会ったところだ書いてある。

地図を見るとこの地点は418mピークで、そのまま尾根を進むと登山道に戻れると判断。尾根を緩く下って、登山道に合流した。

まだ黄葉も残る登山道。

全般的に緩やかな傾斜の道。

北側(写真では石仏の右側)から林道が合流する地点。ここまで登ると、登山道の脇に石柱が現れ、参道らしくなってくる。

最初に出会う建物、聖尊院堂。

続いて法然堂。ここからは車道となる。
法然堂を過ぎ、車道を避けて左手の林の中に見える階段を登ると、延暦寺会館(宿坊)の裏手に出た。

建物を回りこんでいくと右手に階段がある。それを上がったところに建つのが文殊楼(比叡山の総門)。本坂は比叡山の表参道になるので、近江坂本から登ってくるとこれに迎えられるのです。

文殊楼から見下ろす根本中堂。最澄が最初に一乗止観院を建立した場所。

根本中堂の南側が東塔(とうとう)エリアの中心で、一隅を照らす会館(写真左手の建物)などがある。その上に見えるのが比叡山の最高峰である大比叡。今日は冬型の天気で、雪が降り始めた。雪雲が押し寄せる度に、激しく降りしきる。

坂本ケーブル延暦寺駅 今夜は延暦寺会館泊なので、比較的時間がある。本当は横川(よかわ)まで歩いて山内シャトルバスで東塔エリアに戻りたかったが、冬期のためバスは運行休止。そこで代わりに百日回峰行や千日回峰行の起終点となる無動寺谷へ行ってみようと思った。

無動寺谷へは、まず坂本ケーブル延暦寺駅を目指して歩く。この駅舎は産業遺産だそうです。

駅舎を過ぎたところから無動寺谷への下りが始まる。

雪雲が押し寄せてくると寒いけれど、晴れると琵琶湖も見える参道。

ひと気のない道をかなり下って、明王堂にたどり着いた。小さな境内から一瞬琵琶湖が一望できたが、あっという間に雪雲に隠れてしまった。

明王堂から、ものすごく急な階段を下る。

すると親鸞が出家後に入ったという大乗院に至る。地方紙(広島では中国新聞)に連載されていた『親鸞』を読んでいた人には感慨深い場所です。

大乗院でひき返し、明王堂への急な階段は右手にやり過ごして、石垣の下を登り返す。

左下に弁天堂を見下ろす。

左右の柱にそれぞれ「比叡山」、「延暦寺」 登り返してケーブル駅を過ぎ、東塔エリアに戻ってきた。左側の建物が巡拝料を納めるところ。(延暦寺会館に泊まる人は会館で納めます。)

今日のうちに西塔(さいとう)エリアまで往復することにした。

なんとなく華やかな感じを受ける戒壇院(大乗戒を受けるところ)。ここはまだ東塔。

西塔を目指して歩いていくと、比叡山ドライブウェイの上にかかる橋を渡る。渡った先にある山王院の脇を左に下る。

比叡山らしさを濃く感じる静寂な石段の下り。

下りきると、浄土院が見えてくる。

伝教大師最澄廟がある浄土院。境内はそれは美しく掃き清められ、大気も清澄な感じを受ける。

浄土院からさらに下っていくと、右下に椿堂を過ぎ、常行堂が見えてくる。

常行堂の右手には、同じ形の法華堂。二つのお堂は渡り廊下で結ばれている。(二つ合わせてにない堂。) 渡り廊下の下をくぐり、石段を下ると・・・、

西塔エリアの中心、釈迦堂。賑わう東塔エリアと違い、西塔エリアではほとんど人に出会うことがない。ここから右手に進む。

居士林(研修道場)を過ぎると、トンネルでドライブウェイをくぐる。

回峰行の僧侶が横川へと駆ける峯道。実はこの峯道から、今日いちばんの目的地「瑠璃堂」へ行けると思っていたけれど、行けそうにないので引き返し、釈迦堂に戻った。

釈迦堂に戻り、こんどは左手奥に進む。するとまたドライブウェイにぶつかる。ここで2.5万図を見て、写真の矢印のように進み、ようやく瑠璃堂への道に入った。因みに標識もなにもありません。

トラバース道の終点に、ひっそりと建つ瑠璃堂。
織田信長の比叡山焼き討ちを免れた唯一の建物と聞いて、どうしても訪れてみたかった。

瑠璃堂から釈迦堂、にない堂と来た道をたどり、椿堂(写真)に立ち寄る。そして浄土院の前まで来ると読経の声が漏れていて、思わず立ち止まった。

ランプのイラスト 東塔エリアに戻ると午後4時を過ぎていた。今日の宿泊地は延暦寺会館。宿坊と言いながらホテルのような設備で寛ぐことができる。お風呂からは、満月に1日早い月に照らされる琵琶湖を一望することができた。

「比叡山 第2日」

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