伯耆大山 1710m (3) (北尾根下山)
2011年3月19日


明地峠から見る伯耆大山(西面と南壁)
最高の晴天だったのに、露出に失敗してしまいました;;

地図とコンパスのイラストデータ
行程

8:40南光河原駐車場…9:15 1000m地点…9:55五合目(アイゼン装着)10:05…11:15弥山山頂(三角点往復)11:50…12:40五合目13:10…14:35駐車場

コースタイム(歩行時間) 4時間40分
同行者
その他 南光河原駐車場 1000円/1台
入浴@大山ロイヤルホテル 750円/1人(前泊割引あり)



登山靴のイラスト 今日は高気圧の裏側に入り、昨日、象山に登る頃から出てきていた風が、下界でも朝から強くなっている。夏山登山道で樹林帯を抜けたところからの強風を気にしながら、大山寺へ向かった。南光河原駐車場にはまだ数台分の空きがあったので、そこに駐車。登山届けを出して歩き出す。

夏山登山道の入り口はこんな様子。

登山届ポストは掘り出されている。登山届は、駐車場や警察署でも提出可能。

登山道にはしっかりしたトレースがついているので、少なくとも五合目か六合目まではなんの心配もない。写真は振り返ったところ。

左手に宝珠山が見える。その手前に尾根が見えるのがわかりますか?今日の下山は、登山道のないあの尾根を下ります。

頭だけ出た標高1000mの標識。

登りがきつくなってくる。しかし、無雪期と違って不規則な段差がないので、登りやすい。

次第に視界が開けてきた。
三鈷峰を眺めながら登る。

五合目でアイゼン装着。今日はストックで登ります。





大山北壁




六合目付近。ある程度掘り出されていたはずの避難小屋は、目印の杭のようなものが突き出ているだけで、建物は影も形もなかった。一昨日までに降った新しい雪でまた埋もれてしまったのでしょう。







六合目から八合目は、夏山登山道の核心部。
心配した通り風は強い。





急な登りを一歩一歩・・・。

まだまだ、

まだまだ。

八合目で台地に乗る。竿につけられたリボンに注目!強風です。
3月も半ば過ぎというのに、木道が全然出ていない。

絶え間なく変わる空模様。雪の台地に、雲の影と、光の帯が走る。




振り返るとこんな感じ。
真っ白い山頂台地のすぐ下に弓ガ浜が見え、
大山が日本海からいきなり立ち上がっていることがよくわかる。



弥山山頂に到着。三角点ピーク(左側の人が立っているところ)と、剣ガ峰を眺める。

山頂小屋はまだ埋もれています。

三角点ピークへ・・・。




三角点ピークから剣ガ峰方面。
縦走路は雪がついていても怖ろしく見える。




弥山山頂に戻って、ふたたび剣ガ峰方面を眺める。
鈍色の背景でも、光の具合によってとても美しい・・・。






剣ガ峰。





山頂にいる間に、西風がますます強くなってきた。下山にかかる頃には思考力がなくなりそうなほどの強風。しかも弱まることも途切れることもない。指先が痛くなってきたので、冬用グローブを取り出してつけ、急傾斜で転ばないように、一歩一歩下山。

すごい雪庇の張り出した六合目の上付近。
赤い矢印のパーティは、あそこから元谷へ下りられないか、しきりに検討していた。私たちは雪崩注意報が出ているのに元谷へ下る気はない。かと言って、夏山登山道の往復だけして満足するわけもなく・・・(笑)。

六合目まで下りて樹木が出てくると、ほっとする。

宝珠尾根の向こうに、船上山から甲ガ山にかけての稜線を眺める。この後、いったん五合目まで下って、ゆっくりコーヒータイム。

さて、夏山登山道の往復ではつまらないので、五合目からは、行者コースの尾根へトラバースで斜上。すると尾根上にトレースを発見した。(夏山登山道の尾根から分岐するトレースは見当たらなかった。)

別山と北壁。

行者コースを下るときはいつも午後になるので、順光でブナ林を眺めながら下ることができて、とても気持ちがいい。

雪がないと気がつかないけれど、案外痩せ尾根です。

夏道が尾根を離れて元谷へじぐざぐに下り始める地点.。そこからトレースは左(北側)の尾根にそれていた。実は元々私たちも、登山道のないこの尾根を、雪を利用して下るつもりだった。同じようなことを考える人がいるものだと思いつつ、ひき続きトレースをたどって下りていく。

これがまた素晴らしくいい尾根だったのです(笑)。

下っていくうちに左に尾根が分岐した。いちばん上に見えるのが夏山登山道の尾根。中段が分岐した尾根。

さらに右側に尾根が分岐し、右前方に雪に埋もれた大神山神社が見えてくる。(ズームあり。)

何度目かに尾根が枝分かれする地点で、トレースは見事なほどきれいに右に曲がっていた。トレース通りに行けば、988m地点を通る。ここで夫が「ずっとトレースをたどってもつまらないから、左側の尾根を下りてみよう」と言う。当初の心づもりでは私たちも988mを通るはずだったが、地図を見ると左側の尾根でも問題なさそうなので、ここでトレースを外れた(黄色の矢印)。

これがまた最高に気持ちのいい尾根だったのです(笑)。

988mへ進んだ方のトレースがいずれ私たちの方に戻ってきて合流するだろうと予想して歩いていたが、地形図からは予測しきれない痩せ尾根が出てきて、左側に常行谷を見下ろすようになった。そこで逆に私たちの方が右にトラバースし、最後に急な斜面を下って、トレースに合流。(ちなみに988mの尾根をそのまま進むと金門の岩壁の上に出てしまうので要注意です。)

思うにトレースの主も、きっと私たちがたどった尾根を試したことがあり、988mを目指す方がいいとわかっていたのだろう。こういう推理をしながら歩く雪の山はほんとうに面白い。大山でもこんなことができるとわかって、また楽しみが増えた。

トレースと合流して、南光河原を右に見る沢筋に出る。すぐにこの石小屋(岡山大学山岳部大山山之家)に出くわした。この後さらに山岳部の小屋が2つ。

小屋を過ぎて左岸を下っていくと、おなじみの大山寺橋とモンベル大山店が見えてきた。この角度から見るのはとても新鮮。

そして駐車場に戻る。

下山後、モンベル大山店に寄り、店内に貼ってあるルート図を見ると、行者コースから分岐する尾根に「北尾根」という名前がついているのがわかった。地元の登山会がつけた名前のようだ。地図を読んで山に登る人なら、この尾根を見逃すはずはない。やはり積雪期限定のバリエーション尾根だったのですね。


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