鉢伏山 1221m

 氷ノ山 1510m (布滝〜地蔵堂〜氷ノ山越〜氷ノ山〜東尾根)
2002年5月5日

地図とコンパスのイラストデータ
行程 鉢伏山
7:50林道出合…8:10鉢伏山8:20…8:40林道出合

氷ノ山
9:30福定駐車場(氷ノ山鉢伏口)…9:48福定親水公園(登山届提出)9:55…9:58多田ケルン…10:00布滝分岐…10:08にんじん滝…10:10布滝10:13…10:21のぞきの滝(不動滝)10:27…10:53地蔵堂11:02…11:13木地屋跡…11:48一口水11:50…11:57氷ノ山越12:15…12:58仙谷コース分岐(1380m地点)…13:05甑岩直下…13:20氷ノ山14:00…14:03古生沼…14:23神大ヒュッテ14:30…14:55一の谷水場…15:00東尾根15:12…15:38東尾根避難小屋…16:00東尾根登山口16:02…16:07レストハウス逆水(パトロール隊詰所)…16:28福定/奈良尾分岐…16:38福定…14:40駐車場
コースタイム(歩行時間) 鉢伏山: 40分(4,296歩)
氷ノ山: 5時間24分(27,539歩)
合計: 6時間04分(31,835歩)  
同行者
その他


登山靴のイラスト 3年前のゴールデンウィークに後山(岡山県)に登ったとき、山頂から北の方角に、谷間に雪を残した大きな山容が見えた。それが氷ノ山。 「ひょうのせん」という名前だけはそれまでにも聞いたことがあったけれど、雪を抱いた山を目にしながら口にするその音は山の感じにぴったりとはまっていて、それ以来、氷ノ山はつねに登りたい山リストの上位にあった。

広島からこの山はかなり遠い。そこで連休を利用して、夫の実家の岡山を起点に兵庫県側から登ることに決めた。最初の計画では前泊で鉢伏山から氷ノ山東尾根の全縦走だったのだけど、連休中のあてずっぽうな天気予報(まったく役立たずなんだから!)に振り回された結果、日帰りに。それなら滝の多い氷ノ山越コースにしようかということになる。

岡山を早朝4時前に出発。霧の中の山陽道、播但道を経て関宮町まで3時間。八木川に沿って谷深く走り福定まで来ると、左手車窓に青空を背景にした氷ノ山が大きく高い。「ねーねー、思ったより早く着いたから、鉢伏ピストンって、どう?」 「よーし、そんなら空身で行くか。」 2人だと意志決定が早くていい。


☆ 身軽に鉢伏山へ


林道から見上げる鉢伏山の岩の小ピーク
林道出合から見る鉢伏山  名前の通りの山容
(これは山頂南側の小ピーク、山頂はこの奥)


福定から車でハチ高原スキー場まで上り、林道を進んで高坪山と鉢伏山との鞍部である「林道出合」に駐車。ここからだと鉢伏山までの標高差はわずかに180m。登山口を入るとすぐに階段が続く。祠のある南側ピークを巻いて、ひと登りで山頂。空身だと景色を見ながらゆっくり登っても20分。


鉢伏山の広い山頂部から瀞川山を眺める
【鉢伏山から瀞川山を眺める】
山頂にはリフトの建物があるのが残念だけど、眺めは素晴らしい。北側目の前にあるのが瀞川山、ちょうど朝日の方向に蘇武岳、そして振り返ると氷ノ山とこちらとをつなぐ長い、魅力的な尾根。とくに鉢伏山から高丸山への縦走路(下の写真)は気持ち良さそ〜。次は絶対全部歩こ〜っと! 鉢伏山の南側小ピーク
【鉢伏山頂からの南側ピーク】


ハチ高原の上のなだらかな稜線
【ハチ高原とその上の稜線】


下山は目の前に氷ノ山を眺めながら。深い谷を刻む大きな山容が素晴らしい。「あの谷の底から登るんだよね」と思うと、わくわくしてくる。20分で林道出合まで下り、車で福定に移動。


☆ ポピュラーコースで氷ノ山へ


深い谷を刻んで大きくそびえる氷ノ山
鉢伏山から見る氷ノ山


新緑の中を谷に向かって歩く氷ノ山鉢伏口(福定)の駐車場から福定親水公園までは舗装道。行く手にはこれから入って行く谷が深く口を開いている。


【登山口付近】


にんじんの形はしていないにんじん滝
【にんじん滝】
親水公園で登山届を提出し、多田ケルンのところから山道へ。杉の植林帯をトラバース気味に抜けると、「にんじん滝」という妙な名前の滝が流れる谷を横切る。そこから2分で布滝の谷。橋の上に立つと、新緑を縫うようにして落ちてくる滝が目の前。 新緑の谷を一気に落ちてくる布滝
【落差65mの布滝】


トタンで覆われた地蔵堂布滝を過ぎると本格的な登り。少し行くと左手に不動滝が見えてくる。つづら折れの登りが続くけれど、しばらくの間は布滝と不動滝を交互に眺めることができるので、あまりきつさは感じない。道ばたにはたくさんのイワカガミ。周囲はみずみずしい新緑。最高に気持ちがいい。

通行止めとなっている「あずきころがし」の急登を標識にしたがって迂回し、道が平坦になってくると間もなく地蔵堂に着く。内部の壁に「豪雪で倒壊」の記録があった。


【加藤文太郎が泊まったという地蔵堂
(建物は当時のものではありません)】


地蔵堂からしばらく平坦な道が続く。ふたたび登りになってからは、氷ノ山越の鞍部らしき空が見えているのになかなかそこにたどり着けず、かなり長く感じた。「一口水」で喉をうるおし、ようやく氷ノ山越に到着。おむすび1個で元気を出して、稜線の縦走へ。


立派なブナの幹氷ノ山越から小ピークを越えて南に進むと、立派なブナが目立ち始める。下界の元気な新緑に比べて、ここはまだ控えめな芽吹き。


氷ノ山山頂部 次第に周囲が低木になり、行く手に山頂部がはっきりと見えてきた。鳥取県側からは絶えずガスが沸き起こっているけれど、ハチ高原の方向は晴れたままで、壁となる山の大きさが感じられる。
【登山道から氷ノ山】 【登山道から見る鉢伏山】


甑岩の左手を巻いて、大きなスイッチバックを何度か繰り返す間も眺望が楽しい。鉢伏山から半円形に連なる長い稜線もきれい。「久しぶりに来たね、こんなところ」 「ほんまじゃ、九州の山みたいじゃな。」  足取りも軽く最後の階段を登り、山頂に到着。

広い山頂にはたくさんの人、そして犬も数匹。スニーカーにジーパンでいかにもお弁当しか入ってなさそうなデイパックという人から、しっかり登山姿の人まで、装備もいろいろ。新しく立派なログハウス風トイレ(兼展望台)には長蛇の列ができている。 こ、この混雑した雰囲気は・・・、そうだ伯耆大山だ〜! とにかく今日はツアー登山者がいないだけでも良かった。


緩やかな勾配のボードウォーク 山頂からは東へ延びる道をとって下山開始。すぐに西日本最高所の湿地帯だという「古生沼」(立入り禁止)を右手に過ぎ、大きな杉の間のボードウォークを下る。傾斜が緩くて快適。

20分も下ると、とても感じのいい木立の側に建つ神大ヒュッテが見えてくる。別荘としてお借りしたいぐらい、ほんと素敵な場所。いいなー、神大山岳部!
まばらな立木の感じが素敵
【神大ヒュッテ前の空き地】
【千本杉の間の
ボードウォーク】


しっとりとした空気の中の新緑ヒュッテ前で分岐する道を左にとり、2度ほど大きく向きを変えて一の谷の水場を越えると、また向きを変えて東尾根に乗る。

東尾根はブナやナラの新緑に囲まれた傾斜の緩い道。美しさになんども声をあげてしまう。ガスの中に入ったせいで、しっとり感が増していい。


【東尾根登山道】


いったん尾根をはずれ、すぐまた尾根に戻ったところに東尾根避難小屋。その先から本当に尾根をはずれて下る。それまでののんびりした下りを取り返すかのような急傾斜の階段が続く。階段が終わり、傾斜が緩んで周囲が明るくなってくると、東尾根登山口。労山の立派な石碑が建っている。


スキー場か登山口付近を見下ろす しばらく車道を進み、スキー場の「レストハウス逆水」の横の小道に入る。もうすっかり下山完了したような気になっていたけど、ゲレンデのはるか下に見える福定、奈良尾の民宿街まで更に20分。奈良尾への分岐を過ぎて最後は谷に入り、川を渡って道路に登り返す。まさに谷底から山頂まで歩き通した充足感の大きい1日だった。 緑に沈んだかのような谷の中
【最後の下り
ごちゃごちゃしたあたりが民宿街】
【福定に近い谷の中】

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