鬼ガ城山 1030m (松ノ木峠〜県境尾根)
2008年4月12日


宇佐から見る鬼が城山

地図とコンパスのイラストデータ
行程

9:25松ノ木峠駐車場…9:32鉢ノ敷山(万草ガ原)三角点…9:42レンゲツツジ碑…9:45イシキド峠周辺9:50…10:15 875m地点…10:30 874.6m三角点10:45…10:55稗原峠…11:15 912m地点…11:50鬼ガ城山山頂12:50…13:10三ツ岩…13:15平岩(分岐)…13:40分岐…13:45林道分岐…14:15稗原峠14:40…14:45馬頭観音(ようたあ林道登山口)…15:38松ノ木峠…15:40駐車場

コースタイム(歩行時間) 4時間30分 (22,430歩)
同行者
その他 潮原温泉松かわ(入浴) 650円/1人


登山靴のイラスト 「やまのおかし」に投稿してくださった山口県のFuminoriさんのブログを見ていると、見たことのない角度から雪の寂地山塊を撮った、はっとするような写真が目についた。撮影場所は松ノ木峠の南側となっている。ちょうどその数日前に、夫と、「雪が融けたから、安芸冠山にFさんが1月に落とした携帯電話を探しに行こう」と話していたのだが、電話は拾われてすでに警察に届けられていたことがわかり、冠山に行く必要はなくなった。それで代わりに、Fuminoriさんのその場所に行ってみることにした。さらにその先、県境尾根を経て鬼ガ城山へ登る計画を一晩で立てて・・・。

松ノ木峠(まつのきだお)のスキー場駐車場に車を停め、南側の丘へひと登りすると、「万草ガ原」の三角点がある。この付近の山に造詣が深いFuminoriさんによれば、ここは「鉢ノ敷山」と言うそうです。

三角点から緩く下っていくと、前方に気持ちの良さそうな草原(牧場)が見えてくる。イシキド峠を経て牧場の斜面を登って行き、振り返ると・・・、



右谷山(左)から、大きくたわんだミノコシ峠を経て、
寂地山、安芸冠山へと連なる連峰が一望できる。
この山塊をこちら側からこれほど間近に見られるとは知らなかった。
(ただ牧場はすでに春先の手入れがされており、夏でも通れるかどうかはわかりません。)

今日の目的を早々に果たした後は、
牧場の上部から樹林帯に入り、鬼ガ城山を目指す。


樹林帯に入ってしまうと、周囲の展望はなくなる。踏み跡はない(見つけられなかった)ので、地図とコンパスが頼りとなる。今日は冬に酷使したコンパスの機嫌が悪く(-。-)、何度か右側の谷に下りそうになりながらも、なんとか尾根筋を見つけ出し、875m地点にたどり着いた。(この地点から先、ピークや鞍部など、要所要所にはテープがありました。)

振り返ってみるとこんな感じ。どこをどう通ってきたかわかりますか?わかりませんね(笑)。

875m地点から先は笹藪が濃くなってきた。春先でまだ笹の勢いも弱いだろうと思っていたが、とんでもない。密度濃く、旺盛に繁る笹をかきわけて進んでいると、細かいホコリと、なぜかカメムシ臭がわき上がる。

いったん鞍部へ下り、874.6mへと登り返す。周囲の林は春の陽を浴びてそれは美しい。

下が笹藪でさえなければ・・・(笑)。

ぽっかりと笹が刈られた874.6mの「稗原峠」三角点。

三角点からふたたび笹の海に入り、稗原峠を目指す。比較的すぐに笹が減り、歩きやすくなった。

と思ったら・・・、小鞍部から先はまた笹の中。

そしてようやく十字路となっている稗原峠に到着。ここまで来れば道を見失うことはないので、ほっとする。

稗原峠から小ピークを越えて登っていくと、割に平坦な稜線に乗る。ここからは右側に宇佐の集落、そしてその上に右谷山、寂地山が見える。

912m地点から先もアップダウンはあるが、傾斜が緩いので、どんどん歩ける。何度か思い出したように出現する笹藪も、稗原峠以前ほど分厚くはない。

床越付近。「雑木林って、明るくてほんとにいいよねぇ・・・」と言いながら歩いていた。

床越から登り返し振り返ると、木々を隔てて寂地山塊の稜線が見える。夏になると見えなくなるだろう。

大岩の間を抜けて進む。

山頂手前はまた笹藪だった。このあたりから東へと尾根の向きが変わる。

松ノ木峠から約2時間半(休憩込)で山頂に到着。県岳連のわんぱく登山部の子どもたちで大にぎわい。


今日のおやつ。
リエゾンのパンダのミニメロンパンと、
ポワブリエールのマカロン・ド・フルール。
思ったより早く着いたので、山頂では1時間ほどゆっくりした。子どもたちを眺めていると、男の子も女の子も、みなためらう様子も見せず当たり前のように木に登り始め、子ども本来の姿で動き回っている。「テレビでみたパンダの幼稚園みたいだよな」と夫。引率で来られていた岳連の松島さん(有名な方なのでお名前を出してもかまわないでしょう)は、子どもたちを自然の中に連れ出してやりたくてこの活動をしている、とおっしゃっていた。

山頂から見る羅漢山(左)と法華山(右)。

山頂でコンパスをあわせ笹藪を北東へ下りようとしていると、「下山はこっちですよ」と松島さんから声がかかった。山頂からは20mほど元に戻って、右へ谷をからめるようにして尾根に乗るように道がついていたのだ。(飯山から登ったことがないので知らなかった。)山頂から笹藪を進んでも同じところに出たとは思うが、下りで笹の中を歩かなくてよかったので助かった。

笹原を外れて下山し始めるとすぐに見えてくる大岩。『西中国山地』には、これが鬼ガ城山の「ジョウ」(鬼の棲む岩穴)だと書いてある。

下山路からは、ふたたび木々の向こうに寂地山塊が青く見える。そしてその下の茶色の尾根が、さっき登って来た県境尾根。

尾根をはずれ、谷に下りたところ(写真)で右折する。

杉林の中。

左手に三ツ岩が見えてきた。ひとつだけかと思っていたら、この周辺に同じような岩がいくつもある。

おもしろい岩の組成。この形は溶岩が固まったものだろう。(デビルスタワーを横にした感じ。)

三ツ岩群を過ぎると、すぐに平岩がある。この先、林道歩きとなる。

単調な林道を歩き、最初の分岐は左へ、その次の分岐(写真)もふたたび左(北西)に入り、稗原峠を目指す。

すぐに荒れ果てた耕作地跡や炭焼き窯の跡が見えてくる。

右に谷を見送ると分岐がある。ここは右上の道に上がる。

あまり面白みのない杉林の中、何度か谷を渡り、尾根を回り込んで、ふたたび稗原峠に戻ってきた。気持ちがいい場所なので、思わず座り込んでコーヒータイムとなった。

峠からはようたあ林道を目指して北西に進むと、5分ほどでこの馬頭観音が現れ・・・、

すぐに林道に飛び出す。それにしても「ようたあ」って、「わしゃぁ、はあ酔うたぁ〜」ってことでしょうか?(違う気がする;;)

林道から振り返る県境尾根。

林道ぞいにぽつぽつと咲くミツマタの花。和紙の原料になる木がこんなエキゾチックな花を咲かせるのは不思議。と思ったら、中国南部原産だそうです。

イシキド峠の西に当たる地点まで林道を歩き、そこから右へ、松の木峠まで近道となる送電線の管理道(?)に入る。

(今日のコースの県境尾根については山歩きのページさんの記録を、この近道については山歩きと山野草さんのこのページを参考にさせていただきました。)

管理道は何本かある鉄塔のほぼ真下を通っている。

スプレーを吹いたような、カラマツの芽吹き。

松の木峠近くまで戻ると、林が伐採され、とても眺めのいい場所があった。最後にまた右谷山と寂地山を眺める。

松ノ木峠が見えてきた。今日歩いたコースは、稗原峠を交差点とする8文字の一筆書き。笹藪にはうんざりしたが二度と来たくないというほどでもなく、しっかり山歩きをしたという満足感が残った。朝の元気なうちにルートファインディングが必要な県境尾根を歩いたのが正解だったと思う。

いつものように潮原温泉で汗を流し、下道を帰っていると、小瀬川温泉の満開の桜が夕陽を浴びて輝き、通る人すべての目を惹いていた。


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