恐羅漢山 1346m (5)
夏焼峠〜恐羅漢山〜旧羅漢山往復〜台所原〜中の甲林道終点広場〜管理道〜夏焼峠
2008年6月1日


中の甲林道終点広場から見る恐羅漢山

地図とコンパスのイラストデータ
行程

9:05牛小屋高原駐車場…9:30夏焼峠…9:38 1131.8mピーク…9:45管理道分岐…10:15立山尾根分岐…10:25恐羅漢山山頂10:30…10:50旧羅漢山山頂10:55…11:15恐羅漢山山頂12:00…12:55中川山分岐…13:00中の甲林道終点広場13:40…13:55熊に遭遇…14:10管理道終点分岐…14:20稜線分岐…14:28 1131.8mピーク…14:35夏焼峠…14:55駐車場

コースタイム(歩行時間) 4時間15分 (21,800歩)
同行者
その他 入浴@いこいの村ひろしま 500円/1人


登山靴のイラスト 2週間前に中川山から下りてきたとき、ついでに台所原の様子を見て帰ろうと思い、ミズナラの古木のところから台所原へと足を踏み入れかけた。ところが、すでに太陽が傾く時間となっていたため、登山道のすぐ横の笹原で「なにか」が活発に動き回る音がする。ぎょっとしてきびすを返し、その日はあきらめてそのまま帰った。真夏になる前に台所原には行くつもりでいたので、朝から快晴の今日、台所原通過がお昼になるような計画で、ふたたび戸河内へと向かった。結果的には時間にかかわらずその「なにか」に出遭ってしまったが(笑)。

駐車場から夏焼峠に向かう。峠までは急なところのない森林浴にぴったりなコース。

峠から10分足らず登ると、明るい1131.8mピークに至る。今日はここから恐羅漢山まで尾根上の道。

行く手に恐羅漢山の山頂部を眺めつつ・・・。

ブナに囲まれる爽やかな道。ここはいつも通るのが楽しみ。

鞍部から少し登り返したところにある管理道分岐を直進。早春に来たときにはなかった新しい指導標があった。「早手のキビレ」と書いてある。「ヤハチのキビレ」(@『西中国山地』)ではないのでしょうか???

尾根道は直射日光が当たらず、ときおり涼しい風も吹き抜けて、どんどん歩ける。

ユキザサ。今日いちばんたくさん見た花かも・・・。

立山尾根分岐からは日なたの道となる。

恐羅漢山山頂。絶景を楽しむみなさん。私たちは景色を楽しむのは後にして、まず旧羅漢山を往復。

旧羅漢山への道から眺める十方山。

向こうに見えるのが旧羅漢山。恐羅漢山からは往路、復路とも20分ほど。

鞍部の平太小屋原。今日はしっかりぬかるんでいた。

旧羅漢山山頂。

引き返してふたたび恐羅漢山山頂。ランチを準備しつつ(させつつ?)、岩の上に立って展望を楽しむ。まずは定番の臥龍山、聖山、高岳、砥石郷山など。

深入山と、その向こうの阿佐山山塊。矢印は先週行った天狗石山。

こちらは十方山への尾根の向こうに、天上山や東郷山など。

ランチ後、台所原へと下る。

ギンリョウソウ。


今日はこれまでと違って、上から下を眺めつつ、
ブナ林を下りていくことになる。





例のあの2本の木。
美しい緑の葉をつけて、幾度めかの青春を
謳歌しているように見える。



見上げるとこんな感じ。



ここではブナの高さと太さにとにかく圧倒される。





中の甲林道終点広場まで来ると、トチノキが満開の花をつけていた。ここでゆっくりコーヒータイム。

トチノキと同じ時期に花を咲かせるホウノキ。蕾の形を見ているうちに、昔あった卵型のゴムアイスを思い出した。(←ある年齢以下の人にはなんのことかわからないでしょう・笑。)

帰り道は管理道経由。この妙な軌跡は何かというと・・・↓

管理道を半分ぐらい登った付近で、山肌から流れる清水があまりに気持ち良さそうなので、2人とも思わず立ち止まり手を洗った。再び歩き出し、視線を管理道に戻したそのとき、そぞろ歩きという風でこちらに向かってゆっくりと歩いてくる四つ足の黒いモノを視界に捉えた。距離約15m。胸の白い三日月マークまではっきりと見える。その映像が脳でプロセスされ、「クマっ!!」と叫ぶまでに一瞬の間があったように思う。こちらに気づかないまま歩いていたその若い熊は私の叫び声にふと顔を上げ、私たちを認めるや否や、身を翻して谷側の法面を駆け登り、笹の中へと消えていった。(←上の写真の軌跡。)

と、文章にするとこうなるが、その間ほんの5秒、長くても7〜8秒ほどだっただろう。お互いに視線を合わせたという意味で、2年前に尾崎沼で笹から飛び出す熊を「目撃」したのよりももっと衝撃的な「遭遇」だった。里が近い場所ならそれ以上先に進むのはやめて、人の気配のするエリアに戻るところだが、ここは西中国山地の真っ只中。戻ったところで熊の生息域から外れることはできない。後から来る団体さんを待とうかと思ったが、成獣とはいえないにせよ小熊ではなかったので母熊が近くにいる可能性は低いと考えて、そのまま先に進むことにした。

それにしても、管理道のように周囲が開けたところで、しかも真昼間、熊に出遭うとは思わなかった。カーブで先が見えなかったこと、そして手を洗うため立ち止まっていた間はクマ鈴の音がやんでいたこととが重なって、この遭遇になったようだ。(←以上はオットの分析。)

熊遭遇地点から、おそるおそるふたたび歩き出す。カーブがあるたびにどきどきする(笑)。

←林道の山側にはいくつもの谷が刻まれている。

管理道から見る天杉山(左)と野田原の頭。

終点の手前で、右側の山道に入る。

主稜線までは10分の登り。しっかり踏まれたいい道だった。

主稜線を夏焼峠へと向かう。写真は1131.8mピークから見る砥石郷山。ここから下ると夏焼峠。

台所原のブナ林に身を置きたくて行った恐羅漢山の匹見側は(別に今回にかぎったことではないが)さすがに山深く、熊に遭遇というおまけがついた。あれが小熊を連れた母親だったり、オスの成獣だったりした場合を想像すると恐ろしいが、まだ世間を知らない(と思われる)若い熊でよかった。こちらに気づいた直後の彼(彼女?)のあわてぶりを思い出すと、思わず笑いがこみあげてくる。脅かしてしまって悪かった。熊と人間とが出遭うのはお互いにとって不幸なことだ。登山者としては、やはりこちらの存在を知らせながら歩かなくては、と改めて思うのだった。ツキノワグマを見たい人は、山で見ようなどと思わず、安佐動物園に行ってクラウドの棒回しでも見ましょう(笑)。


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