三瓶山(5)
北の原から雄三瓶 スノーシュー
2008年2月10日


西の原から見る雄三瓶
(登ったのはこの裏側から)


地図とコンパスのイラストデータ
行程

9:50青年自然の家駐車場…10:05雄三瓶登山口(姫逃池西側)…10:45 731ピーク(ルート探索)10:5512:00休憩12:1013:20雄三瓶山頂14:2515:40登山口(姫逃池東側)…15:45姫逃池畔…15:55駐車場

コースタイム(歩行時間) 4時間40分
同行者
その他 入浴@頓原ラムネ温泉 300円/1人


登山靴のイラスト 三連休の山は三瓶山。初日は移動日とし、午後、女三瓶の裾野を軽く歩いて、国民宿舎に泊まった。そして翌日、北の原から雄三瓶山頂を目指す。

三瓶山周回道路は、西の原から北の原までは積雪時通行禁止。東の原から北の原へと向かう(写真)。昨日からの冷え込みで道路はあちこちで凍結。女三瓶のスキー場に行く道で、スタッドレスをはいたランクルがズルズルと滑って進めないでいるのを見かけた。やはりチェーンは携行した方がいいようです。

見事な雪道のドライブで(って、運転したのは夫ですが)、北の原に到着。青年自然の家の駐車場に入る。写真は自然の家前から見上げる雄三瓶。

ここからすぐの登山口から登ろうと考えていたが、たまたま通りかかった地元のオジサンが、「こっち側は三瓶で雪がいちばん深いから、こっちから登った人はみんな途中で引き返すよ」と言うのを聞いて、姫逃池からのコースに変更。

遊歩道(と言っても冬期はクロカンコース)を通り、姫逃池西側の登山口へ。

上の写真の看板からはトレースが一切なかった。とりあえずコンパスを最初のピークである731mに合わせて登り始める。私の持っている古い2.5万図の破線では直登のように見えるが、実際にはジグザグだったり、トラバースしたり・・・。しかし基本的にコンパスの示す向きに登っているので、不安を覚えることはない。

高度が上がるとカラマツ林になる。

たどり着いた731地点。樹間から垣間見えるのが雄三瓶山頂部。まるで隣の山のように遠く見えます(笑)。

さて、731mからは登山道がまったくわからなくなってしまった。しばらく周囲を探索してみるが、木々の微妙な空間が登山道のように見えたり、まったく違うように見えたりする。そこでとりあえずコンパスを山頂部に合わせ直し、731ピークを南東に下り、少し登り返して周囲を見回すと、左手にしっかりした尾根筋が見えている。

(ツマ)「あの尾根を目指してあそこで右に曲がる!」
(オット)「よしわかった!サポートするぞっ!!」

(↑なんちゃって冬山ごっこ。これも地図とコンパスと、そして視界があったからこそ可能でした。視界がなかったらルートがわからなくなった時点ですぐに下山していたでしょう。)

短いやりとりの末、深雪の中の登りが始まった。尾根までは斜めに登って行けばすぐにたどり着けそうに見えるのに、新雪が深くてスノーシューをはいていても一歩につき20cm程度しか進めない。5m進むのに冗談でもなんでもなく5分間かかるような遅々とした進み具合で、息があがってくる。

←この写真だとあまり深く見えませんが、いちばん大変なところは写真を撮る余裕もなく、先頭を交代しつつ登っていたのです。

やがて尾根にたどり着く少し前に、その尾根の方からトラバースしてきたワカンのトレースに合流し、登山道に戻った。そこからは、さっきまでの苦労が嘘のように先へ進めるようになった。

しばらく急斜面をジグザグに登った後・・・、

尾根上の登りとなる。雪はどんどん深くなっていく。

周囲は樹氷の世界。

寒そうで、でも美しいブナの木。

凍った枝の間から太田市を見下ろす。その向こうは日本海。

ようやく「山頂まで5分」の標識までたどり着いた。実際にはここから5分ではなく15分かかるわけですが(笑)。

リヤ王を思わせる凍ったブナの木。

向こうに見えているあの明るい場所が山頂部。そして、枝々をくぐり抜けた途端・・・、


秋には一面ススキの原になる山頂部が、大雪原となって視界に飛び込んできた。
この写真の左のピーク部分をよく見てみると・・・、

雪庇ができている。

山頂から見下ろす避難小屋。あそこでランチにします。

避難小屋から女三瓶方面にほんの少し進むと、小三瓶(左)と孫三瓶が見下ろせる。

真っ白く凍った室内の池を眺めているうちに、ガスが押し寄せて寒くなってきたので下山開始。

下山は北側の青年自然の家を目指そうと思っていたが、どこかで地図を落としていたことに山頂で気づいた。地図なしで雪の北斜面に入る気にはとてもなれないので、登りのトレースをたどって下りることに決める。さいわい地図は山頂から下り始めてすぐに見つかった。

下りでは、登りでジグザグに歩いた部分をところどころショートカットして、等高線に対して直角に、斜面を滑るように下りて行った。これがとても気持ちがいい。スノーシューの登りは(深雪では)人のトレースをたどる方が絶対に楽だが、下りでは逆にトレースのないところを、かかとから滑るように下りるのが楽なのだ。たまに尻もちをついて期せずしてシリセードになりながら、あっという間に登りで先行者のトレースに合流した地点にたどり着いた。そこからは、自分たちのではなく、先行者のトレースをたどって下りてみる。すると・・・、

高校山岳部の合同訓練のみなさんで賑わうあずまやに出てきた。

あずまやから下は、たくさんの人数が登ってきているだけあって、ブルドーザーでならしたようなしっかりしたトレースがカラマツ林の中に続く。

下りてきたのは姫逃池に近いもうひとつの登山口。

最後に姫逃池畔まで行って雄三瓶を見上げる。登山口から山頂までの標高差は約550m。無雪期なら2時間かからない登りが、深雪があると3時間以上かかる。いろいろと勉強になった5度めの三瓶山だった。


風呂桶のイラスト 今日のおフロは、頓原ラムネ温泉。着いた時間にはちょうどスキー帰りの親子連れが入っていて、狭い浴室に子どもの甲高い声が響き、落ち着くどころではない。しかし幸いにも体を洗っているうちに出て行ってくれたので、後は1人でゆっくりと炭酸泉に沈んで温まった。そしてもちろん締めくくりは出雲そば@一福。たっぷり雪にまみれた疲労感を伴う充足感を抱えて、高速道路を広島まで帰った。

北の原の秋の様子はこちら


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