砥石郷山 1177m 〜 台所原 〜 恐羅漢山 1346m
2007年11月3日


田代付近からの砥石郷山
左側にちらっと見えているのが恐羅漢山

地図とコンパスのイラストデータ
行程

9:45牛小屋高原駐車場…10:15夏焼峠10:20…10:21中の甲分岐…10:35 1166ピーク10:40…10:55砥石郷山山頂11:05…11:25 1166ピーク…11:35中の甲分岐…12:10中の甲林道12:20…13:15中の甲林道終点広場13:55…14:10カーブミラー(引き返す)…14:15中の甲林道終点広場…15:18稜線…15:20恐羅漢山山頂15:45…15:48牛小屋高原分岐…16:30駐車場

コースタイム(歩行時間) 5時間10分 (25,600歩)
同行者
その他 入浴@いこいの村ひろしま 500円/1人


登山靴のイラスト 春に悪天のためにあきらめた台所原に、ふと思いついて行くことにした。いつものように戸河内ICを出たところで「おふくろ弁当」を調達して・・・。

牛小屋高原から夏焼峠を目指す。スキー場を横目に過ぎ、沢を渡って山道に入ると、そこはもう秋のただ中。

色づくカラマツが見下ろす夏焼峠。ここのすぐ先の中の甲分岐から、まずは砥石郷山を往復する。

砥石郷山への登山口を入り、カラマツ林を過ぎて急坂をひと登りすると、展望のいい1166ピークに飛び出す。写真は恐羅漢山。

ピークから見る秋色の砥石郷山。

山頂への縦走路は、1166ピークから下った後は大きなアップダウンもなく、とても気持ちがいい。

山頂手前の魔の池。夏にはモリアオガエルの声がさかんに聞こえるここも、秋はこの通り。

砥石郷山山頂にて。田代方面に行くと深入山などが見える。

日当たりのいい場所にまだ頑張っていたリンドウ。


1166ピークに戻る道すじで。
今日の豊かな時間を象徴する1枚。

1166ピークからの下りでは、中川山や天杉山の展望が広がる。

中の甲分岐まで戻ってきた。写真は手前方向が夏焼峠。@が砥石郷山方面。Aが中の甲林道方面。

中の甲林道への道でいちばんきれいだった場所。

今は使われていない橋についた苔が、この道の古さを物語る。

道がジグザグを繰り返すようになると、中の甲林道まであと少し。

林道に出てきたところ。矢印がこれから向かう台所原方面。反対側に進むと、聖山の下の十文字峠に至る(って、歩いたことはないんですけどね;;)

林道その1。

林道その2。

林道その3。

単調な林道歩きになるかと思っていたが、今日は素晴らしく美しい眺めが右に左に展開し、奥に入るに連れ天杉山や中川山の下の方のブナ林は輝くような黄色になり、林道終点に着く頃には「きれい〜」と声をあげ続けていた。

別天地のような林道終点の広場。ここでランチをとる。

ランチの後、何も考えず広場の奥の柵を越えて登って行った。ところがブナ林に入るはずの道は山肌をトラバースするばかり。中川山と天杉山の眺めは最高だが、一向に山道らしくならない。いくつか谷を通り過ぎ、先を歩いていた夫が「カーブミラーがある!」と言うに至って、ようやく、管理道が稜線近くまで登っていたことを思い出した。調査不足を反省しつつ、広場まで引き返して仕切り直し。こんどは地図を見て自分たちがまだ峠まで来ていないことを確認。林道終点から奥へと続く道を進む。するとすぐに山道へと導かれた。大きな倒木を越えてわずかに行くと、道は自然に南東に向きを変える。ここで確かに台所原にいることがわかってひと安心。

管理道から見る天杉山。この道も管理道とは言え捨てがたいです。

台所原は、とにかく圧倒的に素晴らしい場所だった。スキー場のリフトやゲレンデで見る影もない広島県側からただ稜線を隔てただけで、ここまで濃い自然に包まれるとは・・・。比婆山のブナ林ももちろんとても美しいが、台所原では、それ以上に体の奥深くまで伝わってくるようなインパクトを受ける。頭上では天高く伸びた木々の一本いっぽんが鮮やかに黄葉し、足元を見ればその生命を終えた大木が苔に覆われて横たわっている。この空間にいると、自分のDNAに刻まれた、ブナ林が危機に瀕する前の日本の山の記憶(なんてものがあるかどうかはわからないが、とにかくそんなようなもの)が、呼び覚まされるような感じがする。。。

と書くといかにも大げさだが、炭焼きをして山を歩き回っていた(らしい)父方の祖父の血が私にも流れていることを考えると、そんなふうに感じることも別に不思議ではないような・・・。 
 















トチの木(手前)とブナの木。
たまたま近くに生えてしまったため、
人生(木生)の中盤で激しく干渉しあった跡が見てとれる。
ブナの方が柔らかいのだろうか、
トチを受け止めるその幹が大きくへこんでいた。
そして嵐が通り過ぎた今は、過去のすべてを抱え込んだこの姿へ・・・。






感嘆の台所原を過ぎ、振り返って春日山が見えるようになると、稜線が近い。

稜線に出たところを右に1分で恐羅漢山山頂。すでに午後4時。誰もいない。

下山は稜線をたどりもう一度夏焼峠まで下りるつもりだったが、夕暮れどきとなり熊がこわいので、牛小屋高原に下ることにした。@が台所原から登ってきた場所。Aが牛小屋高原分岐や夏焼峠への尾根道。

標識のある牛小屋高原分岐。ここを直進すれば夏焼峠。今日はしぶしぶと右折(笑)。

かなり急な下り。ブナの黄葉を見た後で赤く色づいた葉を見ると、とても新鮮な感じがする。

遭難碑を過ぎたあたりから、牛小屋高原を見下ろす。

下山路から左側に見えるのは、今朝登った砥石郷山。この後ゲレンデを下る。台所原の余韻を抱えたまま駐車場まで下りてみると、私たちが最後の1台だった。


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