テント泊もいいなぁ、と思った時期もありましたが、
よく考えてみると私は旅に出てまで食事の心配をしたくないタイプ。
テントを設営して、さらにごはんを作るのはめんどくさーい!
というわけで、これからもきっと小屋泊を続けるでしょう。
たとえ軟弱中高年と言われようと、それは言う方の心が貧しいのだから。

ところで、山登りをしない友だちに、「この前の山は小屋3泊だったよー」などと話すと、
たいてい、「山小屋って、どんなところ?」と聞かれます。
このページでは、山小屋についてよく聞かれる質問を集めてFAQを作ってみました。


 どんなところにあるの?

「山小屋」というぐらいですから山の中にあります。パターンとしては、(1)登山道の起終点、(2)登山道の途中(水のある場所や鞍部になっているところなど)、(3)山頂または山頂直下、などがあります。



 予約がいるの?

小屋によっても違うのですが、北アルプスの稜線上にある小屋などは避難場所としての役割を兼ねているため、基本的に予約は不要です。ただ、多人数のパーティの場合は予約が必要ですし、少人数であっても「何日に何人で行きます」と連絡することはマナーのようなものです。山小屋にすればそれで食事などの概数を把握することができますし、登山者にとっても連絡のときに登山道の様子を聞けるという利点があります。

 個室で寝るの?(どんなところで寝るの?)

大きな小屋では個室対応(別料金)をするところもありますが、普通はいわゆる雑魚寝です。カイコ棚のようなものから、大広間のような部屋まで、いろいろあります。


この部屋は上下2段


 ふとんはあるの?

普通はあります。混んでいない時期であれば、1人1組のふとん+枕を使うことができます。(つまりスペースとしては畳1枚。) しかし夏山最盛期や紅葉時期には、小屋によっては1組のふとんに3人以上(- -;;)ということもあります。


 浴衣はあるの?

旅館ではないのでありません。寝るときも昼間の服装のまま寝ます。


 お風呂はあるの?

普通はありません。とくに稜線上にある小屋の場合は水が貴重であることから、トイレの手洗い水や洗面所の水も制限されることがあります。


余談になりますが、小屋の洗面所で石けんやクレンジングを使いまくって盛大に顔をあらっている女性を見ると、「この人は一体何を考えているのだろう」と、冷たい目で見てしまいます。この行為が問題なのは、(1)水を無駄に使ってしまう、(2)水が汚れてしまう、からです。

山に行くこと自体が自然破壊に加担することにはなるのは確かなこと。だからこそ、自然に必要以上にインパクトを与える行為は慎みたいと思います。山でお化粧を落とすときはクレンジングティッシュでふき取って化粧水で整えるだけでもいいはず。(そして使用済みのティッシュはもちろん持ち帰る。)そう言うと、「それじゃお肌に負担が・・・」と言う声が聞こえてきそうですが、そんな人はそもそも山に行ってはいけないのではないでしょうか。


 水はどうしているの?

沢からくみ上げる、雪渓の雪解け水を利用する、天水(雨水)をためておいて利用する、など、小屋の立地条件によっていろいろです。

水が貴重な小屋の場合、水筒につめる水は有料ですが、宿泊者であれば一定の量まで無料で分けてくれることもあります。


 食事はついているの?

人気エリアの山小屋ではたいてい食事が提供されますので、小屋に到着して手続きをするとき、希望を伝えます。パターンとしては、(1)素泊まり(食事なし)、(2)二食(夕食、朝食)つき、(3)二食+翌日の昼弁当つき、(4)夕食のみ、(5)夕食+朝食弁当、などがあります。(5)の朝食を弁当にするパターンは、翌朝早発ちしたいときに便利です。



 食事は部屋でとるの?

ふつうは食堂(1部屋しかない小屋の場合は寝るのと同じ場所)でとります。食事の時間は決まっており、宿泊人数が多い場合は、手続きをした順に、1回目午後5時から、2回め5時45分から、などと指定されます。朝食は並んだ順のことが多いようです。



 トイレはどんなトイレ?

基本的にはいわゆる「ぼっとんトイレ」です。しかし最近はバイオトイレ(微生物の力で排泄物を分解し、臭いを抑える方式)や、少ない水量で水洗にできるタイプのトイレも見られます。小屋のトイレは維持管理が大変なため、「トイレ代」として1回100円程度のチップを求めているところもあります。

またトイレで使う紙は、下に落とさずに、便器の横に置いてある段ボール箱(など)に入れるようになっているところがほとんどです。(たまった紙は小屋の人が焼くなどして処理します。) これは処理量を減らすためと、バイオトイレなどの場合はシステムにかかる負担を軽減するためです。つい下界のクセで落としてしまいがちなので、トイレに入る際は気をつける必要があります。



 売店はあるの?

人気エリアの小屋にはまず間違いなく売店があります。規模は小屋によって違いますが、たいていビール(缶ビールが普通、生ビールがあるところも多い)、ジュース、おつまみ類、行動食になるちょっとしたお菓子の他に、その小屋のオリジナル土産(Tシャツ、バンダナなど)や登頂記念バッジなどを売っています。

売店の規模はさまざま。受付と兼ねているところが多いです。

小屋の外に売店を設けている小屋もあります。


 小屋にはどんな設備があるの?

売店(上記)、乾燥室、談話室はたいていの小屋にあります。乾燥室は雨で濡れた衣類を乾かすことができ、たいへん便利です。(たいへんかぐわしいにおいもします;;) 談話室は食堂と兼ねているところが多く、山の本や写真集などが置いてあります。


雨の後の乾燥室

小屋によっては、大学医学部の協力を得て、夏の間診療所を設けているところがあります。他に、喫茶室、荷物置き場、更衣室、ヘリポートなどがある小屋もあります。


 ランプを使っているの?

ランプの小屋もありますが、たいていの小屋には自家発電機があり、電灯がつきます。就寝時間は決まっており(ふつう午後9時)、それ以降部屋の電気は消えます。


 テレビはみられるの?

テレビは置いてある小屋とない小屋があります。置いてある場合、夜は必ず天気予報にチャンネルが合わせられ、その時間にはテレビの前は人でいっぱいになります。

また、夕食後、小屋オリジナルのビデオやDVDを見せてくれるところもあります。



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