臥龍山 1223m (10) スノーシュー&ワカン利用
2011年1月29日


高岳から見る臥龍山(2010年)

地図とコンパスのイラストデータ
行程

9:50駐車場所(八幡高原入口除雪終点)…千町原登山口…10:50 峰…12:00主稜線…13:10臥龍山山頂13:50…15:50駐車場所

コースタイム(歩行時間) 5時間20分
同行者 ぽち隊長、夫
その他 入浴@ひまわり 300円/1人


登山靴のイラスト 年末から1ヶ月間の途切れのない降雪で、県北の積雪はどこも信じがたい数値になってきた。その大量の雪の中に入ってみたくて、広島県でいまいちばん積雪量が多い八幡高原から、臥龍山に登る計画をたてた。せっかく雪があるのだから夏道を登る気はなく、4年前にF相談役と登った尾根を選択。最悪の天気予報が出ている中を、戸河内からぽち隊長号に乗せてもらって八幡高原に向かった。

除雪終点の八幡高原入り口。準備をしている間も、あっという間にザックの上に雪が積もっていく。

千町原の登山口へ。スノーシューやワカンをつけていても、いきなり膝まで沈むラッセル。

登山口近くの標識とアカショウビン。
雪に埋もれてたった一羽、寒そうですねー。

登山口で、またまた指道標を掘り出す人々。
だからすぐに埋まるんですってば。趣味ですか?(笑)

雪原を歩き、ウマゴヤ谷への入り口を右前方に、そちらには入らず尾根を目指す。

深い雪の尾根.。
トレースがついていたので、有り難く利用させてもらう。

歩き始めてから1時間で、954mピークを越える。
今日の夫、ぽち隊長のゲイターを借りています。(←忘れたらしい。)

少し下って、次の小コブへ。

小コブから先はトレースが消滅していた。そう言えば前回も、引き返して来る人に出会った直後、このコブでトレースが消えていた。確かにここからは、次の尾根に移る前に急斜面を滑り下りることになり、先に進んでしまうと戻って来るのは大変そうだ。この尾根を登るときは、ここがpoint of no returnになりそうです。

そんなわけでトレースのまったくない斜面を駆け下りる。すごく、楽しい。

そして次の尾根への登り返し。ぽち隊長、大活躍です。

尾根に乗った。ここからは主稜線の尾根を目指して登ります。

とんでもないことになってきました(笑)。
ぽち隊長に余力があるうちに・・・↓

ラッセル交代中〜。

まったく期待していなかった陽が射してきた。

主稜線が近くなると、尾根の傾斜は緩んでくる。

主稜線に乗って右折。行く手に山頂が見えた(写真中央のピーク)。ここには無雪期の登山道の空間があるはずだけれど、雪の重みで木々は倒れ、どこに道があるのやらわからない。コンパスを山頂に振って、歩きやすいところを選んで登って行く。

と言っても、深雪にスピードが全然出ない。一歩に数秒かかるようなラッセルで登っていくうちに・・・、

ハマってしまいましたー!

って、どうしたことでしょう、この楽しそうな顔は(笑)。

あ、ソフトクリーム?

うーん、ロウソク?
ベビーコーン?
アスパラガスの上の方?

とかなんとか、雪のオブジェを楽しんでじりじりと登っていくうちに、空からはまた白いものが大量に降ってきた。

山頂、近そうです。
けれど「あと少し」と思ってからが遠いこと(笑)。

足元はこんな感じ。

そして降りしきる雪の中、山頂に到着。主稜線に出てから1時間以上。駐車場所からは、ほぼノンストップで3時間20分。

山頂では、4人パーティがランチ中だった。まさかこの天気の中を他にも登る人がいるとは思っていなかったので、驚くと共に心強く感じる。聖湖ルートを登ってきて、夏道を千町原に下山予定だと言われていた。

雪を掘ってランチ場所を作ります。
私? もちろん邪魔にならないように見ていましたよ(笑)。

降雪しきりのランチタイムを終え、4人パーティが登ってきたトレースをたどって南東のピークに向かう。展望岩を探そうとしたが、深雪のためなにがなにやらわからず、すぐに探すのをあきらめた。

平安装束の女人のように見える雪のかたまり またまた雪のオブジェ。平安の女人に見えて仕方がない。
昨晩NHKでやっていた創作神楽「厳島」を、夢中になって観すぎました(笑)。

さて、この付近から菅原林道を目指してブナ林の斜面へ突っ込む。

今日はあまりの積雪量にどこを起点にするかの判断がずれ、思っていたのとは違うところに下りてしまった。どこに下りても菅原林道なので、不安感はなかったけれど、下り立った林道の様子を見て唖然↓。

この写真が菅原林道。2mを超える積雪量は、林道を人の手が入らない山の一部のように変身させていた。

しかも、林道は傾斜が緩いために滑りながら下りることができず、結局ラッセルとなり、とても消耗する。計画ではいったん林道を離れて尾根に乗り、下の方でもう一度林道に出るショートカットルートをとるつもりだったが、方針転換。林道には戻らず、尾根を下りた後は徐々に右方向に移動し、傾斜の助けを借りながら千町原を目指すことにした。

林道を離れて尾根に乗る。雪が重いので快調とはいかないけれど、傾斜がある分、速く進める。

尾根の先端まで下ると、下に沢が見える。そこからは、隣の尾根に移動するしかない。この後、スノーブリッジを渡ったり、溝を飛び越えたりして谷を越え・・・、

ブルドーザーの如きぽち隊長のラッセルで・・・、

次々に隣の尾根に登り返しては下るのを繰り返すうちに・・・、

夏道の尾根(地形図ではっきりと尾根になっている箇所)に合流した。

尾根には、山頂で出会った4人パーティが下山したトレースがあり、一気に楽になった。この尾根を下りきると夏道の通りに沢を渡り、樹林帯を出たところで、4人パーティに追いついた。エネルギーが有り余っている(らしい)ぽち隊長が、早速ラッセルの交代を申し出ている。それをかな〜り後ろの方で聞く私。。。 下りでこれほどエネルギーを使うとは予想外で、疲れてスピードが落ちたのです(大汗;;

雪原に出て振り返ったところ。左側が朝のトレース。と言っても、もう埋まりかけています。

登山口から駐車場所に戻る間は、朝のトレースがすべて消えていた。
というわけで最後までラッセル。登山口から駐車場所まで戻るわずかの間にも、ぽち隊長にラッセルを交代してもらった私でした;;

ぽち隊長は、単独でのモンブラン挑戦(親ページはこちら)を2回もやっているだけあって、ただの貸し出し用お散歩ワンコではなかった(笑)。今日のラッセル貢献度を数値にすると、ぽち隊長 3/5、オット 1.2/5、私 0.8/5。スピードといい効率といい、ラッセル用の筋肉だけで体ができているのかと思うほど。

さらに、斜面がトラバース可能かどうかの判断、渡渉箇所(スノーブリッジ)の見極め、谷から尾根に登り返すときの角度の取り方、どれも頼りになった。ぽち隊長に「技術本部長」というもうひとつの肩書きをつけた計画部の先見の明でしょう。(←褒めるのはそっちか?)

いちばん有り難かったのは、私が妙なルートに挑戦しようとしているのを見ても、いたずらに不安がることなく、一緒に明るく突っ込んでくれたことだ。もちろんそれは地図を読み安全を判断できるだけの経験の裏づけがあってのことだけれど、おかげでとても気持ちのいい山になった。こんなワンコを貸し出してくれて、飼い主のぽこちゃんありがとう〜。

こちらの記録もどうぞ。

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