内黒峠付近から見る、スキー場の営業が終わったばかりの恐羅漢山
台所原はこの裏側(島根県側)
データ | |
行程 |
10:00牛小屋高原駐車場…10:40夏焼峠(軽アイゼン装着)10:50…11:00 1131.8mピーク11:10…11:18管理道分岐…11:30管理道…12:10中の甲林道終点広場12:50…14:10恐羅漢山山頂14:50…15:25駐車場 |
コースタイム(歩行時間) | 3時間45分 (18,600歩) |
同行者 | 夫 |
その他 | 入浴@いこいの村ひろしま 500円/1人 |
恐羅漢山の名前を全国区にした2月のあの遭難騒動の後で、なんとなくリフトを使って山頂に行くのをためらってしまい(同じように遭難予備軍と見られるのは必至だから)、今シーズンのうちに雪の台所原を見るのはあきらめようかと思っていた。しかし、比婆山、大万木山と雪のブナ林を見てしまうと、やはり台所原への思いが強くなってくる。スキー場も営業を終わった今はもう厳冬期のような厳しい美しさはないだろうが、あのブナの高木たちは早春のこの時期どんな様子でいるのか、それを見たくて恐羅漢山へと向かった。 | |
戸河内ICを出たところの売店群。雪の稜線を背景にして、なんとなく信州か富山のような雰囲気がある。 | |
牛小屋高原の駐車場から夏焼峠(ナツヤケノキビレ)に向かう。登山道に入ると、すぐに雪の上を歩くことになる。 | |
ふだんより少し時間がかかって、40分で夏焼峠。今日はここから左(西)へ、1131.8mピークへと登る。 | |
ピークへの登り。峠までの道にくらべれば急だが、距離は短い。 | |
スラッとした木々が立ち並ぶ1131.8mピーク。この立木たちは遠くから見ても目立ち、このピークのいい目印になっている。 | |
ピークから南へ、なだらかな尾根を下っていくと、行く手に恐羅漢山が見える。ここから鞍部まで下り・・・、 | |
少し登り返したところの管理道分岐(写真)から右(西)へ、縦走路をはずれる。 | |
管理道への下り道は積雪でよくわからなかったので、歩きやすそうなところを選んで適当に下っていく(写真)。するとほぼ管理道の終点に出た。この下りについては、髭じじーさんのこのページにある広島山岳会の方のGPS軌跡を参考にさせていただきました。 | |
管理道を下りながら、谷を隔てて見る天杉山稜線のブナ林。笹の林床の緑が美しい。 | |
左手の山肌には、いくつもの谷が刻まれ、雪解け水が豊富に流れる。 | |
しばらく下っていくと、聖山(奥右)と高岳(同左)が見えてくる。 | |
さらに下ると、高岳は見えなくなり、聖山の右側に、今度は臥龍山がのぞく。ブナの赤い芽吹きが春を感じさせます。 | |
中央が恐羅漢山山頂 |
1131.8mピークから1時間で、管理道起点&中の甲林道終点の広場に到着。ここでランチをとった後、台所原に入っていく。 |
ここからは別世界。 |
天を突くかのようなブナの高木たちの間を縫って登っていく。 |
昨年秋に印象的だったブナとトチ。 こう見るとトチの方が勝手気ままに成長し、 ブナはかなり遠慮させられていたことがわかります。 (オット)「ぴよとワシみたいじゃ」 (ツマ)「どういうことっ?!」 |
ここのブナ林は、比婆山や大万木山の端整なブナ林とは趣が違う。 秋に初めてここに入ったときにも感じたことだが、 この森の様子には、何か昔からよく知っているような、 こちらの血を静かにかきたてるようなものがある。 |
上部に行くに連れ、傾斜は急になってくる。 |
稜線近し。そしてここには、数日前に降ったらしい新しく真っ白い雪があった。 | |
かなり急な斜面を登る。ふくらはぎの筋肉を総動員して、無雪期の稜線分岐ではなく直接山頂を目指して登っていった。 | |
「さあコーヒーにしよっ!」 |
山頂からは西側を除いて大展望が広がる。 |
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(あまりいい合成ではありませんが・・・) 内黒峠から十方山にかけての長い稜線。 この稜線の登山記録はこちらをどうぞ。 |
大きな十方山。また行かなくては(笑)。 | |
正面に臥龍山を見つつ下りはじめる。下山は立山尾根を下るつもりだったが、先に行く夫があまりにも自信たっぷりにひえばたゲレンデに下りていくので、まあいいかと思ってついて行った。 | |
展望のいいゲレンデを快調に下る。ほぼ下りきってから立山尾根の方に登り返し、無事駐車場に戻ってきた。 | |
帰り道の魚切の滝。日々融けていく雪を集めて、とても豪快な流れとなっている。 恐羅漢山はスキー場のイメージが強すぎ、しばらく前まではそれほど好きな山ではなかった。しかしその裏側に足を踏み入れてみると、スキー場など「おそら」のほんの一部だとわかる。本当は「恐」と名前がつくだけあってとても奥深く自然豊かな山なのだ。少し前に乗鞍に行ったとき、温泉で一緒になった女性から「広島に山なんてあったっけ?」と言われたことを思い出す。高く派手な山だけが山だと思っている人たちにはここ(西中国山地)の良さはわからないだろう。それでかまわないと思いながらも、少しばかり悔しさも感じてしまう私だった。 |