空山 1060m台
(残雪期ワカン利用 水越峠(鍋滝峠)からピストン)
2012年3月12日


大佐山山頂から見る空山

地図とコンパスのイラストデータ
行程

9:45駐車場所(島根県道115/307号線分岐)…10:20鍋滝峠(水越峠)10:25…11:20稜線…11:50三角点ピーク…12:00空山山頂12:55…13:05三角点ピーク13:15…14:15鍋滝峠(水越峠)14:20…15:50駐車場所

コースタイム(歩行時間) 3時間50分
同行者
その他


登山靴のイラスト 2月に大佐山に登ったとき、山頂から眺めた存在感あふれる空山の姿が印象に残り、雪を利用して登ってみようと決めた。ただ、積雪期ならいつでも可能というわけではなく、五里山と同じく時期的な制約がある。八幡原から先の県道が冬期通行止めのため、広島県側から山の取り付きにアクセスするには3月中旬の開通を待たなくてはならないのだ。そして開通後は、雪が消えるまでのわずかな期間しか登れない。(藪が大好きだという一部の人を除いては。)

大佐山から帰って早速2.5万図を眺めると、水越峠(地形図上では鍋滝峠)から山頂に向けて、尾根をたどって行けそうなことがわかった。下山路はできれば違うところに下りて周回したいと思ったが、すっきりとつながるいい尾根を見つけられず、ピストンをするつもりで、県道の開通を待った。ちなみにネット上には、予想通りKさんの記録があるのみ。

西八幡原への分岐を右に見て直進。冬期通行止めが解除になったばかりの道路に入る。農地といくつかの民家を過ぎて、大休峠(地形図上では木束峠)を越え島根県に入る。峠を下りると県道115号線(波佐方面)と307号線(匹見方面)の分岐(地形図の698m地点)。予定ではここを左折して水越峠まで車で行くはずだった。

しかし左側の県道は依然通行止めで予想外の事態。峠までは1kmほどなので、ここから歩くことにする。

雪の県道に乗り、周布川の左岸を遡っていくと、すぐに「鍋滝のカツラ」の標識と祠が左手にある。

さらに遡り、大きなヘアピンカーブを数度繰り返しながら峠へと高度を上げる。

この写真は県道の上です。雪庇のできる県道って・・・(-_ -;;
しかも熊の足跡まであるし・・・(冷汗;;

水越峠に到着。相似形をした美しいブナが2本立っている。これを見ただけでもここまで来た甲斐があった。

峠の向こう(益田市側)は除雪がしてあった。峠からすぐ右側(西側)の斜面に取り付くより、ひとつ谷を越えて次の尾根が登りやすそうだったので、わずかに車道を歩く。写真で道路がカーブする付近から右側に取り付きます。

残雪期らしいこんな斜面。

尾根に乗り左折、最初のピークへ。

最初の小ピークを下って登り返すと、稜線に至る尾根に乗る。残雪期なので若干歩きにくいけれど、なだらかで気持ちのいい尾根です。

稜線に出ると、林道(らしきもの)があった。地形図上では空山の山頂までしか来ていない林道が、この辺りまで延びているようだ。

今朝は戸河内では時雨れていたような寒い日で、稜線上は一面霧氷の世界。鹿の足の毛流れを思わせるようなこの造形も自然が作ったもの。思わず声を上げる。





小コブを越え、三角点ピークに向けて登り始めると、
こんな展望が広がった。
臥龍山山頂はまだガスの中・・・。



松の木がまるで並木のように立つ三角点ピーク。ここからさらに写真の右奥に見える最高点まで、なるべく尾根上ををたどって進む。

地形図上になんの記載もない空山山頂(1060m台)。写真奥から手前に歩いてきた。最高点は右側(南側)の林の中。北側には広い雪原が広がる。

登って来た尾根を振り返るとこんな感じ。

霧氷の山頂にてランチタイム。ランチ後、広い山頂部をひと周りしてみた。

北側は日本海。煙突(火力発電所?)と小さな島が写っている。

大麻山と漁山(たぶん)。
北側も展望はいいのですが、残雪期の空山の魅力は・・・、













西中国山地の名山揃い踏みを一望できるところ。
しばらく下にスクロールせず、この写真を眺めてみてください。
ちなみに左奥が深入山。あとはわかりますか?









内黒山右側の鞍部が内黒峠。






恐羅漢山の手前にも西中国山地核心部の山々が
見えているのですが、わかりにくいです。






霧氷の向こうの大佐山(左)、天狗石山、高杉山、そして阿佐山の稜線






下山にかかってもしばらく大展望が続く。
肉眼ではこの方角に三瓶山まで確認できたのですが、
春の空ではさすがに写真には写りません。






これを忘れてはいけない弥畝山(未踏)。
山頂はこの写真のまだまだ左側になる。






三角点ピークまで戻ってきた。ピーク南側に大展望あり。
左から掛頭山、臥龍山、深入山。






山頂部のガスもとれ、裾野の広い名山ぶりを遺憾なく発揮する臥龍山。
未解決のあの事件のことを思い出さずに眺めることは難しいけれど・・・。






山頂の北側斜面を振り返る。
真っ白な厳冬期と違い、
霧氷も新芽の色を映して、残雪期ならではの柔らかな美しさ。





下山は尾根通しではなく林道を通ってみた。ここで林道と別れ、自分たちのトレースをたどって下山路に入る。

今日の下山路は自分たちのトレースあり、進路を考えなくていいので、背の高いブナにいちいち足を止めて鑑賞する余裕がある。

立派なブナがたくさんあります。

下りきって、登路の最初の小ピークへと登り返し。

このピーク上で、別の尾根をとって水越峠に直接下りることにした。

若干藪に悩まされたものの、ピンポイントで峠に下りてきた。写真右側の除雪がしてある方が匹見方面(益田市)。

そして戻っていく方が浜田市。
写真右側上部に向けて、地図にはない林道が延びているのがわかるでしょうか。(←ちょっと、気になっている・笑。)

もう一度峠の夫婦ブナに感嘆・・・。

県道の下り。写真の奥で切り返し、右下へと下りていく。

今朝は寒いし時雨れてはいるしで、とりあえず取り付きだけ確認して登るのをやめようかと思ったが、例によって夫の「行ってみんとわからんじゃないか」という言葉に叱咤されて登り始めた。そして結果的には今日で良かった。あと1週間遅かったら、下の方の雪が少なすぎて藪と倒木に難儀していただろう。この山はやはり残雪期に行くのがいいように思う。木々や笹藪が茂っていたら、そもそも登るのに根性が必要だし、今日のような大展望が得られるかどうかはわからない。時期的な制約はあるが、また登りたいと思える山だった。ただしこの付近はツキノワグマの奥山放獣エリアのようです・・・。




水越峠(鍋滝峠)のブナ


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