新高山 197m & 高山 190m
2016年12月10日



沼田川左岸から見る新高山

沼田川右岸から見る高山


地図とコンパスのイラストデータ
行程

新高山
10:30新高山登山者駐車場・・・10:50番所跡・・・10:52匡真寺跡・・・11:03二の丸・・・(釣井の段経由)・・・11:15大手門跡、本丸、詰の丸12:10・・・12:20西の丸・・・12:35七本の溝(竪堀)地点・・・12:47分岐・・・12:50鐘の段12:55・・・13:05駐車場

高山
14:45高山登山口・・・14:32南の丸・・・14:35鞍部・・・14:40扇の丸、本丸・・・14:48二の丸・・・14:53鞍部・・・14:55南の丸・・・15:05イワオ丸・・・15:10高の丸・・・15:15南の丸15:25・・・15:40登山口

コースタイム
(歩行時間)
新高山: 1時間40分  高山: 1時間15分
合計: 2時間55分
同行者
その他


登山靴のイラスト 焼岳で出会ったまり子さんと、甲斐駒ガ岳で出会ったミルKさんが、10月と11月にそれぞれ瀬戸内旅行で来広。2人の散策にお供して、2ヶ月連続で尾道を訪れることになった。その道すがら、JR山陽線の車窓から「新高山城跡」の大きな看板を目にして、山を始めた頃から気になっていたことを思い出し、登ってみようと考えた。

山陽道を本郷ICで下り、20分も走ると、沼田(ぬた)川の右岸にある新高山登山者駐車場に至る。

駐車場から車道を少しだけ歩いて登山口へ。

「荒神社」の鳥居のある集会所の前を通過。
しばらく谷筋の道を歩き、堰堤の前で左折。谷を渡ると・・・、

こんな看板が見える。ここから登山道が始まる。

登山道を清掃中の地元のみなさんから情報収集。これが後で役立った。

さきほど堰堤の前で渡った谷を渡り返して登っていくと、建物があったと想像できる広い場所が右手に三段続く。番所跡だそうです。

鐘の段への分岐を左に見送り、さらに登ると、匡真寺(きょうしんじ)跡に飛び出す。

寺跡からさらに登る。12月も2週めというのに、低山の紅葉はまだ美しい。

中の丸中央に至る階段。

中の丸に出たところで、休日なのに調査?に来られていた観光協会の男性に出会った。

ちなみに男性が立っている場所の左側の石、直角になっていますね。本丸跡の石垣の名残です。

二の丸跡からはすぐに本丸跡(写真右側の盛り上がり)に登ることもできるが、男性が近くを案内してくださるというので、お願いすることに・・・。

中の丸を奥へと進んでいくと、井戸跡が七つもある釣井の段を見下ろす場所に出た。

釣井の段に下りてきました。説明を聞きながらなので、とてもおもしろい。

こちらが井戸跡のひとつ。
この釣井の段にあった台所の建物は、現在仏通寺にあるとか。

盛りは過ぎているものの、紅葉も美しい釣井の段。

釣井の段から本丸へ登る。この辺りに大手門があったそうです。

本丸に到着。

続いて東側に尾根をたどり、詰の丸へ向かう。

尾根上には石仏や摩崖仏が並ぶが、男性によると「たいしたものではないようです」とのこと(笑)。けれど後で眺めてみると、確かに稚拙なところはありながらも、彫った人たちの思いが感じられる素朴なものだった。

詰の丸からは、この後で行く高山城跡が目の前。

右下に新幹線の線路と高山を貫くトンネルが見える。この線路は、いま我々がいる新高山の下もトンネルで貫いている。小早川隆景ゆかりの城跡(高山、新高山、三原城)はすべて新幹線が通っていると、男性から教えてもらった。ここで男性と別れ、ランチタイム。

詰の丸から見下ろす沼田川。写真の左上方向が三原になる。ここからは因島大橋の橋梁まで見えた。

本丸跡から二の丸跡に下り、「船木への下山道」と書かれた標識の場所を下る。登山口で地元の人たちに教えてもらった「竪堀跡」を探す予定。

斜面を下って左に曲がると、トラバース道となり・・・、

石引の段と西の丸跡に出る。ふたたび「船木への下山道」の標識の場所を下る。

またトラバース道。写真左上の盛り上がりは北の丸跡になるらしい。

北の丸跡の西側にある郭跡に出た。写真の左側へ踏み跡を探して進んでいくと・・・、

またまたトラバース道となる。

ここで右側の斜面を見ると、人工的な盛り上がりが筋になり、斜面が波打っているのがわかる。登山口で地元の人たちに教えてもらった七本の竪堀だ。敵が攻めてきたとき、横移動できないようにあらかじめ掘っておいたものだとか。

竪堀を過ぎると、また郭跡(紫竹丸)に出る。ここまでほぼトラバースで横移動してきたが、ここは郭の先端部から下り・・・、

さらに平坦な郭跡に出たところで、写真の左側へ、またトラバース道。

トラバース道は東に進んだ後で谷を渡り、南へと続いている。写真左上の斜面の上が、匡真寺跡。

道には落ち葉が積もり、踏み跡も不明瞭。山に慣れていない人にはおすすめできない。我々は二の丸跡で出会った男性から城跡全体の地図をもらっていたので、とても助かった。(「新高山城跡を守る会」の山根氏が作成された地図。)

トラバース道を進んでいるうちに、三叉路(のようなところ)に出た。ここを左折。

するとすぐに鐘の段に至る。散り残った紅葉がとても美しく、しばし休憩。

鐘の段を出ると、すぐに登りで通った道の分岐が見えてくる。あとは来た道をひと下り。

登山口で出会った地元の人たちと、観光協会の男性から話を聞かせてもらったおかげで、山頂を往復しただけでは見逃していたはずの場所を歩くことができた。みなさんに感謝します。

下山後、駐車場からすぐ近くの「沼田本郷の名水」を汲みに行く。沼田川を隔てて、高山が目の前。これからあれに登ります。

ここから見えているのは実は城跡の南側部分のみ。高山城跡は全体ではカタカナの「エ」の字の形をしていて、間に谷を挟んで東西に稜線が二本並び、その上に郭の跡がいくつも並ぶ広大な城跡だ。



車で高山の南側登山口へ移動。どうにか駐車できる場所を見つけ、早速歩き始める。観光協会の男性からこちらの地図ももらったので、百人力。(2.5万図はあまり役にたちません。)

登山口からしばらく登ると、分岐がある。直進が健脚コース。迷わず直進。

するとこんな岩の上の急登となった。と言っても距離は短い。

番所跡の小ピーク。ここで進路が左(西)へと変わる。

小ピークを下ると、分岐があった。さっき直進した場所を左へ登っていたらここに出たのだろう。下山時はそちらへ下りることにする。

さらに登っていくと、右上に南の丸の石垣が見えてきた。登ってみましょう。

南の丸は間に通路を挟んで、西側の犬の丸と並んでいる。

そのまま通路を北へ、鞍部へと下ります。向こうに北側郭群の一画を占める扇の丸が見える。

鞍部はこんな感じ。新高山に比べて少々わかりにくい。もらった地図がおおいに役にたった。

上の写真の鞍部から右の道をとると、扇の丸(右奥から登る)と本丸の間に出る。扇の丸は展望なし。

本丸跡はとても広い。

本丸から下り、二の丸(戸石丸?)跡へ登り返す。地図によればこの先に北ノ丸があり、とても興味があったが、冬至前のこの時期、すでに夕暮れが迫ってきたので、南側郭群へ戻ることにした。

二の丸跡から北東方向の眺め。大峰山や竜王山、山陽自動車道(左側稜線の日陰になったなだらかな部分)などが見える。

本丸へは登り返さず、南側を通る。石垣が残っています。

鞍部まで戻り、綺麗な紅葉が見えたので数10m西側に行ってみた。京屋敷の段だろうか。この辺りからも南側郭群に登り返せそうだったが、素直に引き返し、南の丸と犬の丸の間に戻る。

続いて南側郭群を散策。犬の丸の南側から武者走りを西へと進む。

露岩のあるイワオ丸。ここは展望が素晴らしい。

イワオ丸の露岩から、沼田川を見下ろす。

さらに郭の跡を経て、三角点のある高ノ丸までやってきた。

ちょうど正面に新高山と新幹線の線路が見える。今日はここで引き返し、南の丸まで戻ってコーヒータイム。

下山は番所跡の手前の分岐を右へ。健脚コースではないということはトラバース道なのだろうと予想はしていたが、やはりこんな道だった。

崩壊した建物跡を過ぎると、直進方向にこんな「行くな」サインがある。ここを左折。

すると健脚コースとの分岐に戻る。

発掘と整備が進みつつある新高山に比べて、高山はわかりにくいところもあった。しかし郭の跡が延々と並ぶさまには興奮を誘われ、素人目にも第一級の中世山城跡だと思われた。こんな遊び場が近くにあるこの地域の子どもたちはとても幸せだ。我々も歩いているうちに探検気分になり、とても楽しいふたつの山だった。



沼田川にかかる橋から見る新高山と高山


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