十方山 1318m (12) 積雪期縦走
二軒小屋〜水越峠〜旧郡境尾根〜北十方〜十方山〜
奥三ツ倉〜前三ツ倉〜丸子頭〜彦八の頭〜内黒峠
2011年2月19日


恐羅漢山から見る十方山
右から北十方1328m、奥三ツ倉、前三ツ倉、やや手前に丸子頭
十方山の三角点ピークは、北十方の向こう側なので見えていません。


地図とコンパスのイラストデータ
行程

9:00二軒小屋駐車場…9:20ワカン/スノーシュー等装着9:25…9:52獅子ガ谷入口…10:05水越峠10:10…11:25北十方11:30…11:40十方山山頂12:45…奥三ツ倉…12:17前三ツ倉…13:50丸子頭13:55…14:14 1152mピーク…14:24藤本新道分岐…14:45彦八の頭南西肩15:15…15:45 1166mピーク…16:00最後のピーク…16:15内黒峠

コースタイム(歩行時間) 5時間20分
同行者 ぽち隊長、夫
その他 入浴@ひまわり 300円/1人


登山靴のイラスト 昨年2月に十方山に登ったとき、来期(つまり今年)への課題が三つできた。ひとつは、北十方1328mのピークを踏むこと、ふたつめは、登山道のない獅子ガ谷西側の境界尾根(旧郡境)を登ること、そして最後が、藤本新道分岐で下山せず内黒峠まで縦走路を歩き通すこと。それを念頭に、昨年秋に内黒峠から十方山に縦走したときは、冬の偵察も兼ねていた。

雪が大量に降っている今年は、獅子ガ谷に入るのは怖ろしい。それは逆に尾根を登るチャンスでもある。そこで水越峠からその尾根に取り付き、北十方のピークを経て十方山三角点ピークへ、そして雪の締まり具合によって可能そうなら、内黒峠まで歩くという計画を立てた。

こんなおもしろいルートにぴったりな仲間は・・・、そう、ぽち隊長!

飼い主のぽこちゃんからお散歩許可が出た瞬間、綱の切れたワンコ状態となったぽち隊長は、戸河内に集合してみると縦走路を完歩する気マンマン(笑)。お天気も味方しているようだし、これなら行けるかも・・・、と期待して、2台で内黒峠に向かい、1台をそこに置いて、もう1台で二軒小屋に下りた。

二軒小屋の駐車場から、背丈ほどの除雪のデブリを越え、十方山林道に入る。今日のものと思われるトレースあり。

今朝はとても気温が低く、林道の周囲では霧氷が輝き、素晴らしく美しい。

獅子ガ谷への入り口を過ぎ、旧羅漢山への目印のカーブミラーがないなぁ・・・、と思ってよく見ると、こんなに埋まっていた。

見るからに「峠です!」という地形の水越峠。今日は雪が締まっているし冷え込んでいるからいいけれど、大量に雪が降った直後に通るのはちょっと怖ろしいですね。

上の写真の左側が境界尾根。峠から直には登れそうになかったので、少し獅子ガ谷側に戻った小さな尾根を目指して急斜面を登った。左写真は振り返って見下ろしたところ。

しっかりした尾根に乗った。この先で、私たちとは逆に、水越峠を西に下がったところから登って来たらしい先行者のトレースと合流。

等高線の閉じない小コブに、ブナの木が一本。

尾根が合流する度に地図を見て、現在位置を確認しつつ登っていく。
高いところを目指せばいい登りは難しくないけれど、支尾根が多いこの尾根を下るのは少し大変そう。

傾斜が急になってきた。ぽち隊長、走り出さんばかりな勢いです(笑)。




振り返ったところ。大きな恐羅漢山を背負って登る。




尾根の東側はこんな眺め。すごく新鮮。(^ ^)v
手前に写っている長い尾根が下山路となる縦走路で、
これを右から左へ歩くことになる。


尾根の上の方は見事な雪原だった。そこからの展望は・・・↓




またまた素晴らしく新鮮な眺め。
十方山は、三角点ピークからは北十方に隠れて北側の峰々が見えないけれど、
このルートをとれば、文字通り「十方見晴るかす」山となることを発見!

北十方のピークに到着。三角点ピークよりも10mほど高い。

何が見えているのでしょう?

なんと、瀬戸内海の向こうに、石槌山が見えました!
(手前に見えるのは阿弥陀山。)
十方山には何度も来るけれど、こんなに遠くまで見えたのは初めて。

北十方を後に、傾斜の緩い雪原を十方山の三角点ピークへ向かう。(写真は振り返ったところ。)

誰もいない山頂に到着。もちろんここからも、瀬戸内海から四国までの大展望。この山頂はよほど風が強いのでしょう、雪が積もらず、山頂標識がほぼ普通の高さで立っています。

先週登った女鹿平山(中央)と、その右奥に羅漢山




こちらは冠寂地山塊の右側に見える山々。


風を避けてランチをとろうと、山頂からほんの少し下がる。
臥龍山の大展望と、右奥に掛頭山、そして手前にはランチの後で歩く縦走路。

ランチ後、内黒峠への縦走路に入る。まずは前方に見える奥三ツ倉を目指します。

鞍部の論所はこんな様子。

ブナの大木を縫って登り返す。

奥三ツ倉。標識は深い雪の下。昨年はしっかり見えていましたが・・・。

振り返ると、北十方(右)と三角点ピークの雪原が見える。
写っているのは後続の2人。幕営装備でした!

なだらかな尾根上を、右手に瀬戸内海と石鎚山まで眺めながら、前三ツ倉(左のピーク)に向けて進む。

前三ツ倉の那須ルートとの分岐点。



前三ツ倉を下り始めると、この縦走路中でも出色の大展望が広がる。
足元が雪で2m近く高くなっているのと、木々が落葉しているのとで、
夏期からはとても考えられないほどの眺め。

だだっ広い雪原となった尾根上を進み、緩いコブを過ぎ、登り返すと、丸子頭山頂。

丸子頭から縦走路を振り返るとこんな感じ。右から北十方、奥三ツ倉、前三ツ倉。



さて、内黒峠までは、この写真で深入山より右側に見えている
ピーク群をすべて越えていかなくてはならない。
なんと豪快な縦走路でしょうか。

丸子頭から下って、地形図に出ないコブ(昨年コーヒータイムをとったところ)を過ぎ、登り返すと、1152mピーク。ここはブナ林がとても美しい。

次のポイント、藤本新道への分岐で地図確認中。

素晴らしいブナ林の中、カサゴヤキビレへと下る。

前方には、これから登り返す彦八の頭が立ちはだかる。

伐採地のカサゴヤのキビレは、大雪原となっていた。(写真はキビレから南側を見たところ。)

そろそろ疲れの出てきた体で、コーヒータイムを楽しみに彦八の頭に登り返す。山頂は東西に細長いピークとなっていて、コブが3つ。その最初のコブに登りきったところで、「ついでに三角点まで行って休憩する?」という私の問いかけに、「いいや!ここで休んでから!」と即答する男性陣(笑)。ここで長いコーヒータイムをとった。
(写真は三角点のある山頂から、歩いて来た方角を振り返ったところ。)

彦八の頭からは、次の1166mピークにコンパスを振って進んだ。その結果、彦八の頭の北にある小さなピークをスキップすることになり、ワル谷のキビレで、先行者とのトレースに合流。(写真の矢印が私たちのトレース。右側が尾根通しのトレース。)

1166mへの登り返し。まだこれで最後のピークではないのです(汗;;)。

1166mを下り始めると、聖湖と尾崎沼と鷹ノ巣山が見える。今日はこんな珍しい眺めがてんこ盛り。

ナラの古木。とても目立ちます。

最後のピークから見る恐羅漢山。

下り始めると、眼前に夕陽を浴びた内黒山が現れる。終点まであとわずか。

そしてついに内黒峠に到着〜(^ ^)v 

内黒峠縦走路が、積雪期にはこんな大展望を満喫できるルートになることは、心弾む発見だった。雪の状態によってはとても1日で歩けるとは思えない縦走路だが、今日の所要時間は無雪期とあまり変わらない。それを可能にした晴天と締まった雪という幸運に感謝して、いつものように大黒そば&ひまわりで1日を締めくくった。

蛇足ながら、今年は積雪量が多く、十方山から内黒峠にかけての指道標(奥三ツ倉、前三ツ倉、丸子頭、藤本新道分岐、彦八の頭、1166m(彦八))はすべて雪の下に埋まっていました。この縦走路は尾根がだだっ広く、雪があればどこでも歩ける分、たとえ晴天時でもぼーっと歩いていると簡単に迷ってしまうでしょう。地図コンパスでのナビゲーションは必須だと考えてください。


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